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[新人戦]日章学園FW高岡伶颯主将は成長への決意新た。常にチームを救い、ライバルたちを「ぶっちぎる力」を身につける

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日章学園高FW高岡伶颯主将(2年=三股町立三股中出身)はハーフウェーライン付近からのロングシュートにもチャレンジ

[2.20九州高校新人大会3位決定戦 佐賀東高 0-4 日章学園高 白波スタ]

「(日本高校選抜の活動から)帰ってきて、(神村学園高のFW名和田)我空はチームを助けれる点というものを決めていたんですけど、コンディションの問題どうのこうのじゃなくて、ほんとにどのコンディションでもやらないといけないなっていう風には、この大会を通じて思いました」

 日章学園高(宮崎)は九州高校新人大会3位決定戦で4-0。日本高校選抜合宿後の19日から出場したFW高岡伶颯主将(2年=三股町立三股中出身)は、最終戦で「欲しかった」という今大会初ゴールを決めた。また、この日は「(身体が)キツい時こそ、そういうのを出していかないと」と“代名詞”のハードワーク、高速プレスでも相手を苦しめたが、全く満足をしていなかった。

 同じく日本高校選抜合宿に参加していた神村学園高(鹿児島)FW名和田我空(2年)は、九州高校新人大会準々決勝、準決勝と2試合連続ゴールを決めてチームを決勝へ導き、決勝でも決勝点をアシストして優勝に貢献。練習試合を含めて日本高校選抜合宿の6日間で4試合に出場した高岡と、怪我の影響で1試合のみの出場だった名和田とはコンディション面で差があったことは否めない。それでも、高岡は名和田のようにどんな時でもチームを救う、そして勝たせるプレーをしなければならないと決意を新たにしたようだ。

 交代出場した準々決勝(対鹿児島城西高)は1-0で勝利。だが、非常に強い風雨下の準決勝で大津高(熊本)に1-6で敗れた。準決勝のパフォーマンスに加え、この日も雑なプレーがあった際には原啓太監督から厳しい声。高岡は「元の自分のプレーを知ってるので、自分の判断だったり、もっと上に行くにはっていう風にまず考えてくれている」。U-17ワールドカップでの4得点によって、知名度は飛躍的に向上した。対戦相手のマークはより厳しくなり、代表、選抜の活動やJクラブへの練習参加で日程も過密に。その中で恩師、チームは自分がまだまだ成長するための道を提示してくれている。

 最終学年の今年は、主将に就任。原監督は高岡を主将に任命した理由について、「やっぱり彼は一番練習もするし、ほんとクラスでは大人しいですけど、グラウンド出たらもう一生懸命やって、遅くまで練習やって、意識の部分が高いので、背中でも見せれるし、発言力もある。(代表活動などで)いないことが多いので本人、最初ためらったんですけど、キャプテンになるのは。それでも、色んなものを背負わしてやろうかなと思いました」。高岡は日本高校選抜で日本一の青森山田高(青森)の3年生たちの姿勢を確認。自分のことだけに集中するのではなく、チームを成長させるリーダー、人間になる。

 同時に、一個人としては「ぶっちぎる力」を身につけることが目標だ。昨年はプリンスリーグ九州1部で16得点(13試合出場)をマークし、得点王。選手権予選では、2年連続決勝でのハットトリックという偉業を成し遂げた。スピード、馬力のある抜け出しや跳躍力を活かしたヘッドも魅力。特に決定力が向上し、プレミアリーグプレーオフなどの大一番でスーパーゴールも決めてきた。だが、この一年間のゲームで昨年以上のマークを受けることは必至。その中で、圧倒的な結果を残さなければならない。

 高岡は、「今年のテーマにしてるのは『ぶっちぎる力』なんで、どんなにマークされようが、それも『ぶっちぎる』ぐらいの選手になりたいと思ってるので、そこを頑張っていこうかなと。どんなにマークされようが収めたり、スピードで剥がしたりするのは自分の今年の目標」。昨年、高岡はインターハイ予選敗退やU17アジアカップでの不発(1得点)の悔しさを糧に大きく成長を遂げてきた。非常に向上心が強く、努力を続ける才能の持ち主。今冬の選手権初戦敗退や九州新人大会の悔しさも新たな力に、ライバルたちを「ぶっちぎる」選手になる。

前半28分、右足で今大会初ゴール

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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