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公式戦出場は8か月ぶり。市立船橋MF峯野倖が「自分がいるぞっていうのを見せつけたかった」復帰戦で青森山田相手に躍動

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市立船橋高MF峯野倖(3年=JFAアカデミー福島U-15 WEST出身)は攻守両面で印象的な動き

[4.6 プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 0-2 青森山田高 千葉県フットボールセンター]

 公式戦出場は、昨夏のインターハイ準々決勝(8月2日)以来、約8か月ぶり。市立船橋高(千葉)のMF峯野倖(3年=JFAアカデミー福島U-15 WEST出身)が「久しぶりの試合だったので、やっぱり『楽しい』が多くて。試合中なんですけど、ちょっと笑顔が出ちゃって。楽しくやっていました」という復帰戦で躍動した。

 前半から、ボランチの位置で積極的にボールを要求。ポゼッションからややサイドに開く形でボールを受けると、3度4度とターンして前を向き、攻撃をスピードアップした。「(青森山田の選手が)勢いよく来るのが分かっていた。それを利用するのが結構できた」と峯野。青森山田の強烈なプレスをいなす背番号7に対し、ピッチ外からも「上手い!」という声が上がっていた。

 その峯野は狭い局面でのドリブル突破にもチャレンジ。PAへ切れ込む動きも見せていた。「中村(健太)コーチに『ポケットに入れ』とか、『攻撃にどんどん参加しろ』とは言われてるので、そういうところを意識して、結構攻撃に参加する回数が増えました。相手がやっぱ青森山田っていうチームで、守備も強い中で、結構攻撃でチャンス作れたのは自信にもなったかなと思います」。U-16日本代表やインターハイ優秀選手選出など、守備能力の高さを評価されてきた峯野だが、技術力も高いプレーヤーだ。本人は後半にロストする回数がやや増えていたことを反省していたが、復帰戦は攻撃面の自信を深める一戦にもなった。

 峯野はチーム屈指の運動量の持ち主。後半の苦しい時間帯でもDFラインのカバーを欠かさず、相手アタッカーとの1対1を止め切っていた。また、前半は相手ボールをつついたり、セカンドボールを回収することで中盤の攻防で主導権をもたらしていた印象だ。

 青森山田の強度に負けず、競り勝つシーンもあった。だが、本人は「もうちょい。もっともっと、全部取り切りたいです」と満足していない。脳震盪による長期離脱から復帰したばかり。頭部保護のためにヘッドギアを着用しているものの、競り合いなどで怖さを感じる部分もあるという。何よりも、自分の身体を優先。その上で、一つ一つできることを増やしていく考えだ。

 活躍したインターハイ以来の公式戦で、改めて力があることを印象付けた。「半年できてなくて。世間も自分のことをやっぱ忘れてたなと思ってたんで、そこでやっぱ自分がいるぞっていうのを試合を通して見せつけたかったですね」。復帰戦で存在感を示したが、守備も、「ボランチなんで、絶対取られる回数は0にしていこうかなと思います」という攻撃面でも、より自身に高いレベルを求めていく。

「できるプレーをまだまだ増やさないとダメだし、もっと結果にこだわって、自分1人で試合を決めれる選手になっていきたいです」。この日はゴールを決め切る、守り切る部分が青森山田との差になった。自身が不在の選手権準決勝で敗れた相手へのリベンジは次の機会に。コンディションの向上とともにより圧倒的なパフォーマンスを増やし、勝利に貢献して自身の名を全国に広める。

(取材・文 吉田太郎)


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