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新潟の新鋭、上越は創部9年目でプリンスリーグ初挑戦。MF松澤煌成主将「笑って終われるような1年間に」

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プリンスリーグ北信越2部初挑戦の上越高を引っ張るレフティー、MF松澤煌成主将(右)

[4.14 プリンスリーグ北信越2部第2節 上越高 0-4 松本U-18 長岡NT]
 
 創部からわずか9年目でプリンスリーグ北信越2部初挑戦。新潟の新鋭、上越高が貴重な経験を重ねている。開幕戦は福井の伝統校、丸岡高に0-2で惜敗。松本U-18(長野)と対戦したこの日も、前半にFW石山睦樹(3年)やMF天野龍之介(2年)のシュートがポストを叩くなどチャンスを作った。だが、先手を取ることができず、前半終了間際にハンドによるPKから失点。後半に3点を奪われ、0-4で敗れた。

 チームの中心はMF松澤煌成主将(3年)だ。「左足を見て欲しいんですけど、持った時のアイディアとか、ドリブルとかはもう見て欲しいですね」という元左SBのレフティーは後半、左足のパンチ力や突破力を発揮。後半だけでシュート4本を放つなど上越を引っ張ったが、試合終了間際の一撃が相手GKの好守に阻まれるなど得点を奪うことはできなかった。

 その松澤は、「(チームとして、)強度的には全然やれてると思うんだけど、やっぱりやるべきこととかやらないと失点しちゃうし、決め切るところを決めないと勝てない」とコメント。競り合いでの強度や走り負けないことは手応えを掴んでいるが、より細部を突き詰めていかなければ白星を勝ち取ることはできない。

 創部当初から指揮を執る藤川祐司監督は、水戸や大分でプレーした元Jリーガー。その指揮官も「最後の3分の1で差が出るんで、そこはこだわってやりたい」と語っていた。この日は、昨秋の選手権予選で奮闘していた松澤やMF松林大翔(3年)に加え、天野ら2年生4人が先発。国体選抜のMF小林優大(2年)やMF大瀨優羽(2年)らサブにも特長のある選手がおり、新1年生にはJクラブアカデミー出身の選手もいる。

 チームのステップアップとともに選手層も向上してきている。今年は、今後の上越のためにも大事な一年だ。松澤は「プリンス上がって初めてで、色々分からないことばっかりなんですけど、この2試合通して大体強度とかも分かってきた。練習に活かしていきながら、やっていきたいと思います」。長野県4部リーグからプリンスリーグまで階段を上ってきたチームは、この経験を最大限活かして日常からまた成長を遂げる。

 昨年から主軸は大きく入れ替わっているものの、今年はリーダーシップを取れる選手が多いという。藤川監督が「伸びしろがある。楽しみですね」と説明するチームは、自分たちも次の世代に繋ぐ、また何かを残す一年にする意気込みだ。

 松澤は「(上越に進学した理由は)藤川さんが元Jリーガーというのが大きくて、その指導の下でやりたいなと。フィジカル的なところも人間性のところとかも伸びました。(今年は)リーグ戦を通しながらどんどん成長していくっていう、最終的には笑って終われるような1年間にしたい。もちろん、プリンス1部昇格したいですし、選手権、インターハイでは決勝まで行って、全国に行きたいなと思ってます」と力を込めた。プリンスリーグで経験を糧に、上越の歴史を変える。



(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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