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[球蹴男児U-16]DFリーダーのCB木下斗稀「日本一を目指すなら1年生のうちにも」。大津は悲願実現のため、1年時から成長と結果を求める

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大津高のDFリーダー、CB木下斗稀は苦しい時間帯でチームを牽引

[5.4 球蹴男児U-16リーグD1第1節 大津高 3-2 佐賀東高 大津町運動公園陸上競技場]

 九州地域のU-16年代において、長期のリーグ戦を通じて選手の育成及び指導者のレベルアップを図る「2024 球蹴男児U-16リーグ」のD1リーグが4日に開幕した。昨年のU-16全国大会、ミズノチャンピオンシップU-16 ルーキーリーグ準優勝チームの大津高(熊本)と佐賀東高(佐賀)との一戦は3-2で大津が勝利。九州タイトル奪還、初の日本一へ向けて勝ち点3を獲得した。

 大津は前半16分にMF芋生陵のゴールで先制すると、21分にもMF坂口凌空が加点。動きの中でクオリティとリズムを加えるMF山本翼をはじめ、23年U-15日本代表候補の左SB渡部友翔、芋生、坂口ら個々の技術力、判断力のベースが高く、ワンツーや展開のパスを交えながらボールを前進させた。

大津の10番MF山本翼は異質の動きで攻撃を牽引

 そして、渡部や右SB福本耕大が前方の選手を追い越して攻め上がり、ラストパスやシュートへ持ち込む。多彩な攻撃で佐賀東にプレッシャーをかけた一方、「(自分の強みは)DFということもあって、後ろのラインを引っ張ったり、チームの指揮を上げる声だったり、 あとは1対1とか、ロングボールとか、必死に頑張るとかですね」と説明するCB木下斗稀が的確な守備対応。高さを発揮したCB村上蔵之助や182cmGK西村天琉が守りを引き締めていた。

 だが、佐賀東もFW稗田幹太が抜群のキープ力と強さで前へ。MF山口祐二朗、MF雨水蓮翔が仕掛けてシュートへ持ち込んでいく。前半に散発していたミスを修正し、積極性も増した後半はMF栗山洸政やDF冨田宗暉の好守などから、前半以上にボールを動かす形で反撃。14分にMF岡本裕輝が決めて1点差とした。

 大津の木下は、「前半は結構支配率も高くて、自分たちのサッカーができて楽だったんですけど、やっぱり後半になると ボールを持てなかった分、厳しい展開になって、結構キツかったです。切り替えの部分だったり、ちょっと際が負けていたりとか、中盤での攻防とかちょっと負けていたかなと思います」と指摘する。

 だが、大津は27分、後半途中出場のFW高本祐二郎が右サイドからカットインし、左足シュートをゴールへ突き刺す。この後、佐賀東の反撃を阻止。諦めずに攻める佐賀東は、後半45分に混戦から山口がGKをかわして左足シュートを叩き込む。だが、大津は最後の反撃を凌いで3-2で勝利。勝ち点3を獲得した。

MF芋生陵は先制点をマーク

 大津の木下は後半にミスが増えたことを反省。だが、「最後はしっかりチームを引っ張れたかなと思います。高校生になって1発目の“公式戦”ということで、本当に勝ち点3という結果で終われて良かったです」と微笑んだ。

 木下は、昨夏の日本クラブユース選手権(U-15)大会で準優勝したソレッソ熊本のチームメート8人で大津へ進学。「近くでちっちゃい時から見てきて、ここ数年選手権とか見て、チームの雰囲気だったり、本気で日本一を取りたいなと思ったから、大津を選びました」と理由について説明する。

「先輩たちにも日本一を取って欲しいですけど、やっぱり自分たちの代で日本一を絶対取れるように、この男児リーグも含めて、3年間やっていかないといけないと思います。まずはこのリーグでしっかり上位、1位になって。全国大会に出場して、去年は2位だったので全国大会で先輩たちの順位も超えたいし、3年後、日本一を目指すなら1年生のうちにも、経験しとかないといけないので、本気で目指したいなと思います」。大津は第2節(6日)で九州国際大付高(福岡)に1-2で惜敗。勝ち続けることの難しさも体感した。切り替えて、先輩たちのように日常から凡事徹底。3年時により輝くため、1年時から結果を残す。

U-15日本代表候補歴を持つ左SB渡部友翔

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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