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[プリンスリーグ関西1部]タフに戦い抜いた興國がG大阪ユースを1-0で撃破。開幕5連勝

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興國高が1点を守り抜き、開幕5連勝達成

[5.5 プリンスリーグ 関西1部第5節 G大阪ユース 0-1 興國高 近大附高G]

 興國が開幕5連勝! 5日、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024 関西1部で4位・ガンバ大阪ユース(大阪)と首位・興國高(大阪)が対戦。興國が1-0で勝ち、首位を守った。

 興國の六車拓也監督(元京都、新潟、徳島MF)は試合後、「暑さもあるし、精神的なタフなゲームになる。そういったゲームをどうやって自分の成長にたくさん繋げるかっていうのが、今日の大テーマなんで。そこに関しては、本当に最後までタフにやってくれましたし、表現できるようになってきた」と頷いた。興國がタフに戦い抜き、優勝候補相手に1-0で勝利。連勝を5へ伸ばした。

 3連勝中のG大阪ユースは先発7人が1、2年生。それでも、ともにトップチーム2種登録選手のGK荒木琉偉(2年)やCB古河幹太(3年)からボールを繋ぎ、相手を押し込んで攻撃を続けた。

 興國は試合開始40秒、10番FW久松大燿(3年)が前から2度追いしてボールを奪うと、そのクロスからFW仲谷蓮斗(3年)が頭で合わせて先制点。だが、その後は相手をリスペクトし過ぎた面もあり、守勢の時間が続いてしまう。

興國の10番FW久松大燿は先制点をアシスト

 G大阪ユースは、多彩な仕掛けからFW久永虎次郎(2年)の右足シュートやFW中積爲(2年)の左足シュートが枠を捉えた。だが、興國はGK高山颯大(3年)の好セーブやCB竹村咲登(2年)のシュートブロックなどで凌ぐと、前半半ば頃から、ボールを前から取りに行く姿勢が向上。自分たちから変化を起こし、ややFW任せになっていたプレッシングに全体で取り組む。すると、幾度か良い形でボールを奪い取った。

 そして、最前線で抜群の強さを見せていた仲谷や配球役のMF尾形祐輔(3年)を軸とした速攻。久松のラストパスから右SB松岡敏也(2年)がシュートへ持ち込んだほか、MF宮崎優二(3年)とのパス交換から仲谷が左足シュートを打ち切る。

 興國はフィジカルレベルの高い選手も多く、後半も左SB高橋怜生(3年)が左サイドでのインターセプトから攻撃参加。また、六車監督が「ボール、ほんとに奪えるんですよ。『オマエはこのグループでほんと1番くらい奪えるぞ』って話しかけて、経験は浅いですけれども今凄く頑張っている」と評したMF樺山文代志(2年、兄はOBで現鳥栖のFW樺山諒乃介)が、ボランチの位置でのボール奪取でとても利いていた。

興國の2年生MF樺山文代志は要所でのボール奪取が光った

 それでも、G大阪ユースはMF山本天翔(2年)と10番MF長田叶羽(3年)を中心に攻撃を組み立て、交代出場のMF森田将光(3年)や中積が抜け目なくゴールを狙っていく。

 だが、興國は際の強さを見せるCB國岡俊哉(3年)が、「10番(長田)が国体でも一緒にやってたんですけど、かなりいいパス出してくるんで、背中にも。それをさせないように常に背後を意識して、いいボールを蹴らさないようにしていました」と振り返るように、背後へのパスを通させない。逆に、FW安田光翔(2年)や仲谷がドリブルで相手を押し返す。そして、宮崎がシュートへ持ち込むなど2点目を狙い続けた。

攻守でインテリジェンスの高さを見せたG大阪ユースMF長田叶羽

G大阪ユースも守備意識高く、戻りが速い。CB古河幹太を中心に2点目を与えなかった

 ビルドアップにチャレンジしてのミスもあったが、全体的に流れも読みながら、特に守備面で高い集中力を発揮。國岡は「全員が勝ちにこだわってやってるんで。そこで結果が出てきてるのかなと思います」。1-0で勝ち切り、勝ち点を15とした。

“育成軍団”の興國が、チームとしての「強さ」を見せて首位を快走。だが、六車監督はこの先の戦いや、将来のために選手、チームがより成長することを重視する。「個人としても、チームとしても、良くなっていかないといけないっていうのが、もう大テーマがあるんで。常に毎日チャレンジしながら、どうやって成長できるっていうところを選手と共有しながら今、やれている」。指揮官から「強い相手とやった時にホンモノの姿が出る」と声がけされている選手たちは、慢心することなく、謙虚に力をつけていく考えだ。

 自分たちの目標達成のため、後輩のために、という思いもある。仲谷は「普通に来年もいい選手がいっぱいいるんで、来年の選手にプレミア(リーグ)でやらしてあげたいっていうのがあります。あと、自分たちはラストなんで、このまま勝ち続けて、インターハイとかいい流れで入っていけたらと思います」。國岡も「プレミアリーグに上がったことがないんで。僕たちが歴史を変えたい」。成長と結果にこだわり、歴史を変える。 

G大阪ユースFW中積爲のシュートを興國CB竹村咲登がブロック

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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