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ポーランド1部、J2クラブにも練習参加。近大附FW高畑宗希は課題と向き合い、「もっともっと」結果にこだわる

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近大附高FW高畑宗希主将(3年=大阪市立平野中出身)は厳しいマークの中でゴールを目指した

[5.5 プリンスリーグ関西2部第5節 近大附高 0-0 金光大阪高 近大附高G]

 今年、ポーランド1部の強豪クラブとJ2クラブへの練習参加を経験。近大附高(大阪)の注目アタッカー、FW高畑宗希主将(3年=大阪市立平野中出身)が結果にこだわり、チームを勝たせることを誓った。

 この日、金光大阪高は高畑がボールを持つと、「囲み込む」ことを徹底。前半はボールを持つ回数もなかなか増やせなかった。後半、カウンター攻撃の際にボールが届くようになり、高畑はドリブルでDFを剥がして前進。ピッチ外からも「上手い」という声が挙がるような動きを見せていた。

 だが、「今日、特にマークがキツかったですね」と振り返ったように、なかなかゴールに近づくことができない。ボールを持ちすぎてスピードダウンしたこともあり、相手を脅かすようなシュートを打つことも、決定的な仕事もできず。チームも無得点に終わり、連勝することはできなかった。

 試合後は「ゴール前3分の1とかは自分の持ち味を出していいのかなっていうのは思うでんすけど、真ん中とかハーフウェーぐらいで受けた時はサイドに散らして、もう一回関係作ってっていうのは最近の課題」。反省点を挙げ、改善することを誓っていた。

 まだまだの部分も多いが、ブレイクの可能性を秘めていることは間違いない。寺師悠斗監督が「ドリブルからの左右両足でシュート打てるっていうところは、分かっていても止めれない」と評する才能の持ち主。昨年は、インターハイ出場を懸けた大阪府予選準決勝で強烈な左足シュートを決め、先制点をマークしている。

 今年は地域トレーニングキャンプ関西U17メンバーに選出。利き足は右だが、「(小学生の頃から)左足は一番練習しました。ずっと壁に向かって、一生蹴ってた」と徹底的に磨いてきたことで、左足も武器にすることができている。現在は、左右両足でプレースキックを担当。スピードを活かしたドリブル、得意とする切り返しからのシュートなどで得点数を増やしている。

 その高畑は、今年3月下旬からポーランド1部2位のシロンスク・ブロツワフへ練習参加。「(周りの選手は)デカくて、速いっていう感じでした。サッカーの技術とかに関しては あんま負けてる気がしないし、実際、ミニゲームみたいなんでドリブルして点取ったりとかっていうのはあったんですけど、やっぱ強い」。持ち味を発揮し、課題と手応えも感じて帰国した。

 そして、J2クラブへの練習参加も経験。ここでも技術面は普段通りにできたというが、「守備や強度とかは課題やなって感じました。プレースピードが全然違う」。近大附の寺師監督は攻撃面での課題にも自分で気づき、改善することを期待する。

「ボールを引き出すっていうところがやっぱり彼の課題。外張りたがるんですね。それだけじゃ、もう1個上に行くためには厳しい。今、彼には、中で厳しいところでボール受けて、『オマエが点取って試合勝たせろよ』っていうところとか、『アシストして勝たせろよ』っていうところをやって欲しい部分はある」。キャプテンに指名したのも、「いい意味で大人になって、もっと淡々とできないといけない」という理由から。中体連出身でまだまだ伸びしろの大きいアタッカーは変化することができるか。

 本人は結果を出すために判断、技術の面からこだわっていく考えだ。昨年のプリンスリーグ関西1部は3得点。「もっと結果出せたのかなっていうのはあるんで、今年は一個、カテゴリーも落ちて、(今年、第5節までに3得点の)プリンス2部でももっともっと結果にこだわってやらなあかんのかなっていうのはあります」。間もなく大阪府予選の始まるインターハイはアピールチャンス。3年連続代表決定戦で敗れているチームを今年こそ全国大会へ導く。

「とりあえず、去年と一緒の舞台に立たな意味ないと思うんで、ベスト4で、Jグリーン(J-GREEN堺)のS1のピッチでしっかり勝って、全国決めて、大阪取りたいなっていうのは思っています」。昨年の代表決定戦は先制しながら逆転され、チーム全体が焦ってしまったことが敗因に。今年はリーダーとして経験をチームに伝え、苦しい時に違いを示して近大附を勝たせる。


(取材・文 吉田太郎)
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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