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チームメートの高校選抜10番にライバル心。前半躍動の履正社MF桐畑優由介はトータルで活躍する、勝負を決定づける選手へ

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履正社高(大阪)MF桐畑優由介(3年=ヴィッセル神戸伊丹U-15出身)は特に前半、鋭いドリブルと正確なクロスで攻撃を牽引

[5.6 プリンスリーグ関西1部第5節 履正社高 0-0 京都橘高 J-GREEN堺S4]

 前半はピッチ上の22人で最も目立つようなパフォーマンス。履正社高(大阪)MF桐畑優由介(3年=ヴィッセル神戸伊丹U-15出身)は、鋭いドリブルで右サイドを攻略し、決定的なラストパスを通していた。また、展開を変えるキックでチャンスの起点に。そして、セットプレーからゴール前に落ちたボールに反応し、左足ボレーシュートと躍動していた。

「相手(DF)がそんな来てくれなかったんで、自分が周り見てボール持ってる時間があったんで、シンプルにできたので、前半は良かったかなと思います」。相手の寄せが甘いと見るや、DF3人を置き去りにしてボールを運ぶようなシーンもあった。

 攻守に渡って抜群のスピードを発揮するSB上野朔(3年)と組んだ右サイドは前半、突破口に。桐畑は「彼(上野)はマジで速いし、守備力もあるので。守備に関してちょっと任せっきりになってて、彼にはちょっと申し訳ない部分があったんですけど、でもその分、やっぱり止めてくれたんで、自分は楽に攻撃できたなと思います」と感謝する。

 だが、後半は桐畑のボールに係わる回数が減少。「(平野直樹)監督も言っているんですけど、『(90分間のうち)95%はボールもらえない』。その分、オフ・ザ・ボールの時にどれだけ動けるか。(後半は)ちょっと考えながらやりすぎて、ちょっとボールをもらえない時があった」と反省する。

 ドリブルで持ち込んで右足を振るシーンもあったが、悔しい内容。平野直樹監督も「ああいう力はある。でも、(ある時間帯だけでなく、)トータルでできるように力をつけないといけない」と試合を通して活躍することを求めていた。

 履正社の左サイド、10番MF木村有磨(3年)はU-17日本高校選抜でも10番を背負った強力アタッカー。桐畑は木村へのライバル心の有無について、「それはもちろんです」と言い切る。

「やっぱ高校選抜の10番なんで。じゃあ、彼を抜いたら僕が10番になれるんじゃないかというのもある。もちろん、ライバル心はあってこそのチームメイトですし、リスペクトもしています」と微笑む。この日、前半は桐畑の活躍が目立ったが、後半は木村も抜群のスピードを発揮して決定機を創出。桐畑はチームの勝利を第一に考えながら、ライバルと切磋琢磨していく。

 桐畑の目標とするプレーヤーは、「(C大阪の)香川真司選手です。シュートにもいけるし、パスを引き出して、ボールをもらった時のプレーとかがとても良くて、僕が一番目指しているのは彼」。ドリブル、クロスでチャンスメークすることが特長の桐畑は、シュートを「もうちょっと練習しないといけない」。チームの勝利のため、ライバル超えのために。試合を通してクオリティの高いプレーを続け、勝負を決定づけるような選手になる。 


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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