技術には運動量で対抗すればいい
――セルジオさんはラモスさんとフットサルをプレーされたことはありますか?
「もう何年も前の話だけどね。ゴールを奪うというよりは、パスでゲームを組み立てるのが上手いタイプ。あと、守りが強い。球際はかなり激しいよ」
――ラモスさんの特徴をもう少し教えていただけますか。
「ラモスがどこのポジションでプレーするかわからないけど、彼は激しく動く選手ではないと思う。ただ、ボールを持たせたら上手いし、そうなったらボールを奪うことは簡単ではない。スピーディにボールを展開することはできないけど、確実にボールを運ぶことはできる。それを上回るには、『運動量』がポイントになる」
――運動量を増やすということでしょうか?
「ラモスがどんな選手でチームを編成するかにもよるんだけど……、まずは相手との距離を縮めて、マンツーマンで守備をすること。これは対ラモスに限らずフットサルのひとつの戦術だよね。常にマーカーが近くにいたら嫌でしょ。相手を休ませない。それはラモスが相手でも同じ。ラモスを密着マークしてイライラさせることができれば、勝つチャンスは上がるんじゃないかな」
――現役の頃のラモスさんは、気持ちがアツいプレーヤーだった印象があります。
「負けず嫌いな性格で、もし負けていたら勝ちたくなるはずだから、リードを奪えるかは、試合運びで優位に立つためのカギになるだろうね」
賞金はまさに「お年玉」
――日本各地でサッカーの普及に尽力されているセルジオさんから見て、日本のサッカーのレベルは上がってきていますか?
「いまは大学生や社会人でフットサルをやっている人が多くて、動けて技術があるプレーヤーも増えてきている。逆にラモスがどんなチームで、どんな戦い方をするかは楽しみでもあるよね。たとえば、元サッカー日本代表の選手たちが集まっても、(アマチュアの)フットサル大会で優勝するようなチームには勝てないと思う。それぐらい、一般のサッカーのレベルは高くなってきている」
――「Dream Match Challenge」は、応募条件を満たしていれば誰でもエントリーすることができます。1チーム7人です。
「高校のサッカー部のOBだったり、大学の同好会だったり、仲間が集まりやすいのがフットサルだからね。たとえいきなり集まっても、そういったメンバーなら連携がとれるから、レベルが高いチームになるよ」
――普段からフットサルをやっているチームでの応募も多そうです。
「そのほうが100万円に近づくと思うよ。いまはかなりの数のフットサルチームがあるしね。仮に100万円取れたら、いつも活動しているチームなら、新しいユニフォームも買えるし、日頃のフットサルコート代や遠征費にも充てられる。もし、イベント限定のチームなら、単純に7人で割ってもいい。特に若い人たちにとっては、真剣勝負になるだろうね」
――ラモスさん率いるチームと対戦する機会もファンにとっては嬉しいと思います。
「参加するチームによって、楽しみ方も変わってくると思う。ラモス率いるチームと戦える喜びもあるだろうし、賞金の100万円を目指すチームもあるだろうし。そもそも、こういったイベントで賞金が出るのは珍しい。聞いたことがないよ(笑)。一発勝負で勝つだけで100万円でしょ。イベントを開催するのは来年の1月? まさにお年玉だよ(笑)」
(写真・動画撮影 金澤智康)
(取材・文 奥山典幸)