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2得点にPK奪取の大宮FWムルジャ「最高の気分」

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[11.14 J2第41節 大宮3-2大分 NACK]

 勝てばJ2優勝が決まるホーム最終戦、大宮アルディージャはJ2残留ラインにいる大分トリニータを相手に2点のビハインドを背負うこととなった。そんな嫌な流れを断ち切ったのが、今季34試合に出場し、17得点を挙げていたセルビア人ストライカーだった。

 後半24分、右サイドからのDF渡部大輔が上げたクロスをDFがクリアーしたボールを拾うと、雨天の中でも正確にボールをコントロールし、シュートをゴールに突き刺した。渋谷洋樹監督が「あの1点目が全選手に力、勇気を与えてくれて、そこから会場がすべて湧いてくれて、本当に後押ししてくれた」と言うように、スタジアムの雰囲気を一変させた。

 殊勲のムルジャは「私たちのペースで試合は運べていました。私がシュートをポストに当てた場面や、河本選手のヘディングが惜しい場面もありました。運が足りずに2点を先に決められて、時間を気にしながらでしたが、何とか追い付いて、取り返せるはずだと信じて、まず1点取れば状況が変わると思ってプレーしていました」と振り返る。

 実際、このゴールでムルジャ自身も乗った。後半36分には右ポストを叩いたDF大屋翼のシュートの跳ね返りにいち早く反応し、泥臭くゴールに押し込み、試合を振り出しに戻す。さらに42分にはペナルティーエリア内でドリブルを仕掛けて相手のファウルを誘発し、PKを獲得。これをFW家長昭博が決めて、試合をひっくり返した。

 1年でのJ1復帰を決め、ムルジャは「最高の気分です。1月からJ1に戻るという目標を掲げて達成できたのでうれしいです。チームだけの力ではなく、サポーター、チームに関わるみんなが努力した結果で、本当にうれしく思います」と喜ぶ。

 そして、ファン・サポーターへのメッセージを求められると「言葉だけで感謝しきれないくらい感謝しています。今日はホーム最終戦で、サポーターにとっては理想的とはいえない天気でしたが、チームを後押ししてくれました。私たちは優勝できましたが、それはチームだけの成果ではなく、サポーターとともに達成した目標だと思います。残り1週間ありますが、最後も勝ってシーズンを終えましょう」と、J2最終戦での勝利を誓った。

(取材・文 河合拓)

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