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悔しさを噛みしめる浦安・小宮山「浦安にタイトルを持ち帰りたかった」

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[3.18 PC決勝 大阪3-1浦安 代々木第一体育館]

 何としても優勝する。固い決意で大会に臨んだバルドラール浦安の主将・FP小宮山友祐は、準優勝に終わり「結果を出すことに意義があると思っていただけに悔しい」と唇をかんだ。

 小宮山のポジションはフィクソと呼ばれる。サッカーでいうDFであり、守備の要として対人の強さ、カバーリング能力が求められるポジションだ。小宮山自身も『守備の人』ではあるが、準決勝のバサジィ大分戦では魂のこもった攻撃参加を見せ、チームの全2得点を挙げた。PK戦でも浦安最後のキッカーを務め、チームの決勝進出に貢献。決勝でも相手の得点源であるヴィニシウスを徹底してマークし、今大会5得点を挙げた相手をノーゴールに封じた。

「先制した時は、このまま1-0で行けると思ったのですが…。ヴィニシウスは何とか抑えたけれど、ほかの時間帯でやられてしまった。でも、崩されたゴールではないし、誰も責めることはできない」

 負けられない理由があった。昨年の全日本選手権は、3月11日に起きた東日本大震災の影響で、準々決勝で打ち切りになった。浦安は準決勝に進出していたが、すぐに大会どころではないことを痛感させられた。毎日のように東北の被害は大きく取りあげられていたが、バルドラール浦安の本拠地である浦安も、液状化による深刻な被害を受けていたのだ。

「震災直後は、フットサルをやっている場合ではないのではないかと思いました。練習場も使えなくなってしまい、選手は公園で走り込みをしたり、ジムに行ったり、個人でトレーニングをしなければいけなかった。液状化したチームの復興に向けて、チームでも砂かけに行くなどのボランティア活動もしましたし、そういう状況を知っていたので、今シーズンはいろいろな思いを背負ってプレーしていました」

 だからこそ、この全日本選手権に賭ける思いは強かった。

「昨年、大会が途中で終わってしまったので、準決勝の舞台に立てませんでしたからね。そこで止まった時間を今年、準決勝でプレーすることで動かしたいという思いはありました。何とか準決勝は突破できたのですが、浦安市民、サポーターと一緒に優勝を喜びたかった。少しでも頑張りが伝わっていればいいのですが」

 悔しさは、ある。だが、若手が経験を積み、決勝の舞台にたどり着けたことは、来シーズンに必ずつながると確信を持っている。

「今までは能力はあったけど、チームの駒としては考えられなかった選手たちも、かなりこの大会を通じて力を付けてくれました。まだチームの構成や選手の入れ替えもあると思いますが、来季につながる大会だったことは間違いないと思います」

 外国人選手がいないチームで、タイトルを獲得することは容易ではない。それでも闘将は全力で戦い続ける。いろいろな人の思いを背負って戦う分、彼も、浦安も、もっともっと強くなるはずだ。

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