beacon

なでしこジャパン・佐々木監督「一番光っているメダルを」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本サッカー協会は2日、ロンドン五輪に出場する日本女子代表(なでしこジャパン)の登録メンバー18人を発表した。08年になでしこジャパンの監督に就任した佐々木則夫監督は「監督として総括の5シーズン目」と、ロンドン五輪を集大成の場として位置づけ、「一番光っているメダルを目指して戦っていく」と、あらためて金メダルを目標に掲げた。

 初の世界一に輝いた昨年の女子W杯の登録メンバーは21人。ロンドン五輪は18人と“狭き門”となったが、今回の選考は女子W杯メンバーからGK山郷のぞみ(浦和)、MF上尾野辺めぐみ(新潟)、MF宇津木瑠美(モンペリエ)の3選手が漏れ、“新戦力”の選出はなしという結果となった(上尾野辺はバックアップメンバーに選出)。

「今シーズンになって若い選手が成長してくれた」と話す佐々木監督だが、女子W杯メンバー以外からの選出がなかった理由については「期待している若手のケガもある。W杯が終わってからの期間で選手の枠はそんなに広がっていないかもしれないが、その中で僕自身の気持ちを揺るがす選手も出てきた」と指摘。故障で招集を断念した期待の若手。その念頭にあるのは3月のアルガルベ杯で初選出したFW京川舞(INAC神戸)だろう。

 しかし、京川は5月13日のなでしこリーグ・伊賀戦で左内側側副靱帯および内側半月板損傷、前十字靱帯断裂の重傷を負い、全治約6か月と診断された。さらに、MF澤穂希(INAC神戸)が不在だった4月のキリンチャレンジ杯で活躍した宇津木もスウェーデン遠征中の6月18日のアメリカ戦で右膝を負傷。「思いのほか回復も早く、リハビリをしている」と最後まで悩んだが、最終的に招集を見送った。

 FW岩渕真奈(日テレ・ベレーザ)は古傷の右足甲痛、DF岩清水梓(日テレ・ベレーザ)も左足首痛でともにスウェーデン遠征を辞退。大黒柱の澤も良性発作性頭位めまい症から復帰したばかりで、まだコンディションは回復途上にある。指揮官は「ケガ等があって、選考にあたってブレた部分も多少あった」と認める。それでも「最後は自信を持って選考した。僕自身も期待している」と、“最強の18人”を選んだことを強調した。

「北京五輪ではベスト4という目標を達成できたが、(ベスト4の中で)たった1チーム、メダルをかけられなかったという悔しさがある。北京では、メダルを取った国はすべて優勝を目指していた。我々も今回、チャンピオンを目指してやってきた。あのときもベスト4へのチャレンジだったが、今回もさらに上を目指したチャレンジになる」

 W杯王者として迎え撃つのではなく、あくまで挑戦者として五輪初のメダル、さらには頂点を目指していく。佐々木監督は「金メダルを目指して邁進していきたい。自分たちのサッカーができれば、それに近づくことができると思っている」と力強く誓っていた。

▼なでしこジャパンのロンドン五輪メンバー18人はこちら

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ

TOP