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エース久保活かす喜び、北九州から参戦のU-19代表FW渡「久保が点取っても相当嬉しい」

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[10.26 練習試合 U-19日本代表5-0JAPANサッカーカレッジ]

 ギラヴァンツ北九州所属で三浦泰年監督から「とにかく思い切ってやってこい」「いい経験になる」と言われて送り出されましたというU-19日本代表FW渡大生(北九州)は思惑通りの先制アシスト。エースFW久保裕也(京都)の先制ゴールをもたらした。

「スタメンの時に考えているのは久保とのコンビネーション。ボールを持ったらまず久保を一番に意識して見ている。(1点目のアシストは)パッと顔を上げたら久保が来ていてくれた」。1本目18分、右サイドへボールを持ちだした渡はDFを引きつけると、タイミング良く飛び込んできた久保へラストパス。決して簡単な角度、距離からのシュートではなかったが、久保は右足で難なくゴールネットを揺らしてみせた。

 日本代表選出歴を持つ久保のパートナー候補筆頭の渡は、広島皆実高出身でプロ1年目のルーキーながら北九州では24試合5得点と印象的な活躍を見せている。そして相手の背後への動きなどを期待され、U-20W杯アジア最終予選直前も2試合連続で先発。その渡がまず意識しているのはエースの久保を活かすことだ。練習中から何か問題点があれば、まず久保に確認して話し合うことを心がけている。

 自身が得点することにももちろん喜びを感じるが「正直なところ、久保が点取っても相当嬉しいですけどね。自分が取れるのがベストですけれど、ゴールに直結する動きだったり、自分が開けたスペースに誰か入ってくれて点を獲ってくれれば、嬉しいですね。久保の方が(自分よりも)得点能力が高いので、まずは久保がやりやすいように。変にストレスを与えないように意識しています」。この日は1.5列目に位置した久保とうまく連係。スペースを作り出し、久保だけでなくほかの選手の良さを引き出す動きで勝利に貢献した。

 身近な存在が渡に世界を意識させたている。地元・広島で「家くっついているんですよ」というほどの近所に住んでいたのがFC東京のDF森重真人。彼が07年U-20W杯や08年の北京五輪で世界と戦う姿を見てきた。「あの人がテレビに出ているのを見て、すげーなと思っていた」という舞台の近くに今、自分自身がいる。「厳しい戦いとか楽しめるので、その中でしっかりチームが勝てるように、献身的なプレーができればと思っています」と誓う渡は、もちろん自らが決める意識を持つと同時に周囲を活かす動きも徹底して、世界切符獲得に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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