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広島でJ1、ACL経験の17歳MF川辺「プロなんでやらないといけない」

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[5.22 練習試合 U-18日本代表候補1-1大阪学院大 J-GREEN堺]

 17歳ながらすでにサンフレッチェ広島とプロ契約を結んでいるU-18日本代表候補MF川辺駿は、「自分が目立つというか、他の人を際立たせるように。毎回来ている常連の人は自分の力を発揮しやすいと思うんですけど、そうじゃない人にとってはやり辛い環境ではあると思う。そういう人の特長を出せたらいい」。プレッシャーを苦にすることなくボールを動かしつつ、決定的な仕事もしていた。自然と存在感を生み出していた川辺だが、チームメートをより活かすことに気を遣う動きとプレーで初のU-18代表候補合宿を終えた。

 受け手の足下、スペースへのパスを使い分けてフリーランニングも厭わない。彼がボールを足下に置く時間はわずか。素早くボールを動かしてはポジションを取り直すことを繰り返していたが、それだけではなく、前方にスペースがあればドリブルで持ち上がり、背後への縦パスや中盤からの飛び出しで攻撃のテンポを上げる役割も果たしていた。

 高校1年時から広島ユースの主力として2年連続で高円宮杯プレミアリーグチャンピオンシップ優勝に貢献。ユース世代注目のMFは今年3月にプロ契約を締結すると、3月30日の清水戦でJ1デビューを果たした。週末にユースチームのプレミアリーグに出場する以外はほぼトップチームに帯同し、ACLでは2試合で先発を経験。同世代の選手たち以上の経験を積んできた自覚がある。川辺は「プロなんでやらないといけないし、できなかったらおかしい。そういう自覚というか責任はある」と言い切った。

 大阪学院大と引き分けたこの日は試合後に「結果が出なかったことは悔しかった」と首を振ったが、代表での2試合を終えて「チームと戦術が全然違う。動き方やくさびの入れ方とか全然違った。それでも、食いついたらワンタッチとかはチームと変わらずに出せたと思う」。得点に絡むことはなかったが、U-18代表候補ではポゼッションの練習を繰り返してきたため、ゴール前の崩しなどはチームメートとともにこれから高めていく。

 トップチームで自分自身がプロの選手たち相手にどれだけやれるか。これがU-18代表のレベルアップにつながると考えている。「トップで結果とかが欲しいですね。もっとクオリティを上げたい。代表も高い方だと思うんですけど、トップと比べたら全然違うと思う。トップで通用するようになれば、代表でももっと余裕を持ってできると思う」。貪欲に自分自身のレベルを引き上げて、またU-18代表へ戻ってくる。
 
(取材・文 吉田太郎)

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