beacon

クロスを頭で決めてトヨグバに…イメトレ万全の豊田

このエントリーをはてなブックマークに追加

 目には目を、高さには高さを。FW豊田陽平(鳥栖)がアジアNo.1の高さを誇るオーストラリアとの対戦に向け、あらためて意気込みを示した。

「だれが出てもおかしくないメンバー構成で練習しているが、それはだれが出てもいいようにしっかり準備しろというメッセージだと思っている。普段の生活からしっかりとやって準備していきたい」

 そう話す豊田がオフピッチでイメージを繰り返しているのが、左右両SBからのクロスだ。

「駒野さんのクロスはJでもハッキリとイメージがある。槙野が上がってきたら左足で上げることが多いので、そのイメージをしている。練習を見ながらも、だれがどのようなプレーを多くしているかを感じながらやっている」。短期間で結果を出すにはそれぞれの選手の特徴を頭の中にすり込ませるのが大事というわけだ。

 ここ数年、J2でもJ1でもコンスタントに結果を残している豊田だが、その名をさらに高めたのは3月30日のJ1第4節・磐田戦だった。自身Jリーグで2度目となるハットトリックを、この試合ではすべてヘディングで決めた。ヘディングだけの1試合3得点は20年のJリーグ史上4人目の快挙だった。

「東アジア杯ではこのメンバーの中で何かしらインパクトを与えないといけない。自分に何をできるかを考えながらやっていく」。そう話す豊田がオーズトラリア戦でインパクトを残すには、やはりヘディングによるゴールだろう。

 日本代表と言えば低くて速いクロスをGKとDFラインの間に入れるのが特徴で、初戦の中国戦でFW柿谷曜一朗がニアで決めたシュートはまさにその形だった。豊田の場合、鳥栖ではチームメイトがその高さをフルに生かすような戦い方をしているため自分から合わせるというよりは、周りが合わせてくれることが多いが、代表ではそのスタイルはあまり望めない。だが、豊田は言う。

「代表ではクロスにしても合わなかったりというのがあるが、短期間に順応できるかどうかが大事。ただ、自分としてはまず、取りやすいポジションを取るので、そこに蹴ってくれという要求もしていきたい。クロスのボールの質はチームより高いから、やれると思う」

 ザッケローニ監督も「彼はJリーグで良いパフォーマンスを見せている。3試合のどこかで彼を見たい」と残り2試合のいずれかで起用することを明言した。オーストラリアを相手にゴールを決めればザックジャパン生き残りへグッと近づく可能性は大きい。前田遼一、岡崎慎司、本田圭佑、柿谷のだれもが持ち得ない特長を存分に示し、“トヨグバ”の呼び名どおりのインパクトを示すときが目の前に来た。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
東アジア杯2013特集

TOP