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日本vsニュージーランド 前日練習後の選手コメント

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 日本代表は4日、試合会場の東京・国立競技場で公式練習を行い、5日のニュージーランド戦に向けて最終調整した。この日からMF本田圭佑(ミラン)、DF酒井高徳(シュツットガルト)、GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)も合流したが、DF今野泰幸(G大阪)は微熱があるため宿舎で静養し、グラウンドには姿を見せなかった。

以下、練習後の選手コメント

●FW岡崎慎司(マインツ)
―ニュージーランドの印象は?
「フィジカルだけではなく、ボランチからつないでくるというののも見えたし、攻撃の形も何パターンかあった。そういうところを自分たちが抑えて、自分たちが主導権を握るサッカーをすることが大事だと思う」
―昨年11月のベルギー遠征からどういうふうにレベルを上げていきた?
「久しぶりに集まるので、チェックというよりは、やっていてどうなるかというのがあると思う。ここまでいろんな選手がクラブで各自の課題に取り組んでいたと思うし、それをまたみんなで出し合って、どういうところでお互いの特徴を引き出し合うかという部分が大事になってくると思う。そういう意味では、今話したとしても、明日になればまた違ってくると思うし、やってみないと分からないところがある」
―時間が空くと、やってみないと分からないという感じになる?
「それはある。ただ、自分たちのやってきたやり方というのがあるので、それをやりながら自分たちの個も出していくという感じにはなる」
―ニュージーランドがどういうやり方で来るほうがやりにくい?
「守りを固められたほうが苦手なので、そういう風にやられたほうが、こちらとしては課題に取り組む感じになると思う」

●MF香川真司(マンチェスター・U)
―10月の欧州遠征に続き、クラブで出場していない状況が続いているが?
「試合で僕がやるだけなので。それを結果として僕が出すかどうか。それで自分のプレーが悪ければ、『(クラブで)試合に出ていないから』と言われるだけ。とにかく自分はピッチで結果を残せるように頑張るだけ。結果が残せれば、そこまで心配しなくても問題ないとなるだろうし。それは自分次第だと思うので、ゴールを意識して頑張ります」

●MF山口蛍(C大阪)
―練習期間は2日と短いが?
「良い練習ができていると思うし、良い感じで入れていると思う」
―体調は?
「徐々にコンディションも上がってきているので大丈夫です」
―長谷部が不在になるが、他の選手とはあまり組んでいないが?
「別にだれと組んでも大丈夫だと思う」
―細貝は「山口選手と組めば、やりやすそう」と話していたが?
「それはあると思う。2人で組めば、守備のところで、より前から行けると思う。お互いに似たような感じなので。大体どこでプレスをかけるか、行くのかというのは、お互いに分かるところがあると思うので、やりやすいと思う。もちろん楽しみだし、やってみたいなというのはある」
―W杯本大会でも、前からプレスをかけられたら有効では?
「そうですね。そういうのもあるというか、必要なのかなと思う」
―本番も頭に入れながらプレーする?
「それはまったく考えていません。2人でやってみたら、どうなるかなというのがあるだけなので。そういうタイプの人と、まだ組んだことがないので、やってみたいなと思う」
―役割分担はピッチ内で合わせていく?
「そうですね。状況を見ながら、自分が上がるときは上がるし、下がるときは下がる。相手の動きを見ながらやっていきたい」
―新しいバリエーションができるのは楽しみ?
「そうですね。でも、こればかりは監督が決めることなので。そうなれば楽しいと思う」
―ギリシャ対策というイメージもある?
「前にダイレクトなサッカーをしてくるので、そういう相手にどう対応するかというのがあると思う。どうなるか分からないけど、ビデオを見ても、かなりダイレクトにロングボールを放り込んだりしてくるチームなので、そういうチームにも対応しないといけない」
―国立の思い出は?
「特にないですね。オリンピックを決めた試合があったくらいですね」
―五輪の壮行試合でもニュージーランドとやって1-1だったが?
「あのときとはメンバーが代わっているので、何とも言えない。でも、前に速く来るという部分は変わらないと思うので。1回経験している分、少しはマシかなと思う」
―2月から試合が始まり、休みがないが、調整はどうしている?
「別にしんどくないので。コンディションを上げるためには、今はこれくらい試合をこなした方がいい。現に試合をこなすたびに、自分でもコンディションが上がってきていると思っているので、今はこれくらいでいいと思う」
―個人的にはどんなテーマを持って臨む?
「それはないですね。まだ出ることが決まったわけではないので。出ることが決まってから考えることなので、今は何もないです」

●MF細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
「今回の合宿は期間が短いので、今までとの違いは感じない。試合に出るか出ないかもまったく分からない。チャンスがあればしっかりプレーすることで、何かチームのためにできればいいかなと思う」
―出るためには?
「自分の課題として、チームのプレーをここでどうにか出すということ。監督も今日のミーティングで言っていたが、代表には代表の戦術があるし、チームにはチームの戦術がある。ヘルタ・ベルリンの戦術と代表の戦術には違いがあるので、どうにか代表でも良いプレーをできるように意識してやっていきたいと思う」
―こういう短期の集まり方だから監督も強調したのか?
「そうだと思う。代表の戦術があるのは当然。数多く合宿しているわけではない。代表としての活動は今回も短い。その中で代表のスタイルを意識していこうという話をしていた」
―長谷部が離脱しているが?
「日本代表として長谷部さんはキャプテンですし、数多くの試合に出てきた選手ですから、日本代表としては痛いこと。ただ、長谷部さんがケガしたからどうというのは自分の中にはない。長谷部さんがいるいないと、自分が出る出ないは別。僕は逆に長谷部さんが少しでも早くいい状態で戻ってくることを期待しているし、そういう中でやることが重要だと思う」
―ニュージーランドの印象は?
「ニュージーランドは決して能力のない選手ではない。イングランドの2部でやっている選手もいるし、半分くらいは国外でやっているのではないか。映像は見ました」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―ニュージーランド戦で一番確認したいことは?
「守備の確認と、攻撃は攻撃でコンビネーションとかもあると思うけど、とにかく国立で最後だし、しっかりと勝ってW杯に向けてやっていきたいなと思う」
―今野が練習を休んだことで、明日のメンバーが変わる可能性もあるが?
「だれが出ても一緒だと思う。しっかりと出ている選手がアピールするだけだと思う」
―ニュージーランドの映像を見てどう?
「一人、レスターでやっている選手がいるので、よりチャンピオンシップに近いような戦い方をしてくると思うので、そこのフィジカルの部分で負けないことと、セカンドボールをしっかり拾うことが一番大事かなと思う」
―W杯対戦国ではどのチームに近い?
「どのチームにも近くないです。多くの選手がチャンピオンシップやオーストラリアでプレーしているので、ロングボール中心のサッカーになってくると思う。それはそれで難しい試合になると思うので、そんなに簡単に行くとは思わない」
―長谷部や内田がいないことで、底力が試されるが?
「本番でもそういう状況が出てくるだろうし、チームの総力を上げないといけない。ケガ人が出ているということは、逆にサブの選手にとってはチャンスなので。自分もサウサンプトンでそういう時期を経験しているので、出ていない選手のチャンスをつかみ取ろうという気持ちがチームのプラスになると思う」

●DF森重真人(F東京)
―監督からはあらためて何か言われた?
「特にないですよ」
―代表の雰囲気やチームメイトのプレーにも慣れてきた?
「慣れましたね」
―この合宿で新しく感じたことは?
「短い期間なので、今までやってきたことの確認をして。試合もあるので、試合に出たいなという思いを持ちながらやっています」
―主力が何人かいない試合だが?
「とにかく試合に出たいなと思いながらやっているし、チャンスがもらえたときにしっかりとプレーできるような準備を普段からやっているので、主力組であろうとサブであろうと、そこはしっかりと責任感を持ってやらないといけないと思う。そこは温度差があってはいけないと思うので、しっかり準備したいなと思う」
―どういう部分をアピールしたい?
「特別なことは今さらしなくていいと思うので、今までやってきたことをやればいいと思う。特別なことはないかなと思う」
―今野が練習を休んで、先発の可能性も大きくなったと思うが?
「チャンスがあれば試合に出たいけど、出るかどうかは分からない。でも良い準備はしておきたいなと思う」
―クラブの監督がイタリア人になり、守備の仕方が変わった部分は?
「守備のやり方は全部変わってきているし、チームでどう守るかというのも攻撃のやり方も変わってくる。そこはまったく新しいチームになるのかなと思っている」
―クラブでの変化を代表でも生かせそう?
「生かせるところはしっかり生かしていきたいなと思う」
―最近、先制される試合が多いが、監督からは?
「そのことに関しては何も言われていない。DF陣とも先に失点することに関しては話題に出ていません」
―守備のテーマは?
「今まで守備がしっかりしていたチームというのは間違いないので、それができなくなったというのは、どこか意識の問題だったりすると思うので、DFだけでなく、FWも含めてチームでしっかり守備ができるようにできればと思う」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―ニュージーランド戦に向けては?
「もう試合も限られているし、日数も限られている。ケガ人もいるけど、チームにとっては、本当に短いけど、限られた集まれる時間。相手がどうであれ、自分たちは強豪国とやる気持ちで臨まないといけない。残された時間の中で、個々が積み重ねているものをチーム力にプラスして出せていけたらいいかなと思う」
―長谷部不在の中でリーダーシップにも期待がかかるが?
「そうですね。自分はいつも後ろからやっていることを、いつもどおりやっていきたい。ただ、キャプテンがいつもしっかりしているので、いないと寂しいですけど。でも、このチームの良さは、そういうときでもチームがまとまれることだと思うし、マコ(長谷部)だったり、そういう選手がいない中でも、自分もそうだし、中心になれる選手はたくさんいると思うので。経験ある選手もいるし、みんなで一丸となって、こういうところも乗り切れたらいいかなと思う」
―長谷部からは何か言われた?
「(連絡は)ちょいちょい取っていますけどね。試合については、あまり言われていない。ケガについては、一番最初にやったときから『無理せず治せよ』という話はしていた。すごいセンシティブなケガだと思うし、簡単に感覚が戻るのは難しいと思う。ただ、マコもそうだし、(内田)篤人もそうだし、(試合から)離れることからコンディションという部分は多少(影響が)あるかもしれないけど、技術だったり、経験だったりは落ちないと思うし、チームにとっても必ずプラスになる存在だと思うので、まずはしっかり治すことに専念してもらいたいと思う」
―本田も移籍したミランで苦しみ、香川も出場機会がない状況だが?
「一番良いのは、みんなが試合に出ていることだと思う。今、(香川)真司もそうだし、(本田)圭佑もそうだけど、やっぱり日本人の選手がマンチェスター・ユナイテッドに挑戦したことなんて前代未聞のこと。ビッグクラブの中のビッグクラブなので。圭佑もそう。ミランで10番を背負うなんて、今までの選手が成し遂げていなかったところでみんな挑戦している。そういう経験は代表チームにとってもプラスになるし、そういうチャレンジは他の選手の刺激になる。試合に出ている、出ていないは関係なしに、彼らの経験は確実にこのチームにプラスになると思う」
―本田の状況は理解できるもの?
「もちろん、あれだけのビッグクラブでやっていれば、批判はされるもの。ただ、彼は彼でモスクワにいるときから、すべてをイメージしてやっていたと思うし、今の状況を確実に彼なら越えていくと思う。こういうことを含めて、いろんな経験が日本サッカーにとって財産になる。圭佑もそうだし、日本でやっている選手も常に世界を基準にしたプレーを目指す気持ちが一番大切だと思う」
―自身のコンディションは?
「コンディションは向こうでも調子が良いし、ハードなスケジュールだけど、常に自分としては120%以上の気持ちでやりたいと思っている。コンディションは関係なしに、本当に強豪国とやるつもりで臨みたい」
―国立の思い出は?
「東京オリンピックもありますからね。こういう風情だったり、いろんな歴史がある。最後になってしまうのはさみしいけど、また新しい歴史が生まれてくると思うので。ここで一つ良い区切りをつけて、次につなげたいです」

(取材・文 西山紘平、河合拓、折戸岳彦、矢内由美子)

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