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リスク承知の大胆采配に感嘆…本田「僕が監督でもできない」

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試合後、拍手をするMF本田圭佑

[6.28 W杯グループリーグ第3節 日本0-1ポーランド ボルゴグラード]

 大ブーイングの中、タイムアップを迎えた。0-1で負けている日本代表が時間を稼ぐように、ゆっくりとボールを回す。他会場のセネガル対コロンビアの試合でコロンビアが1-0とリードしていたとはいえ、もしもセネガルが追いつけば日本は敗退となる。大胆な賭けだった。

 ベンチで試合を終えたMF本田圭佑(パチューカ)は「結果が大事で、僕らは予選通過が目的だった。出ていた選手には少し酷な部分もあるけど、想定内だったし、非常にポジティブな結果だったと思う」と、リードを許しているにも関わらず、攻めにいけないチームメイトに同情しつつも、決勝トーナメント進出という結果を勝ち取ったことを何よりも評価した。

 リスクはあった。セネガルが最後に追いついていれば日本は敗退が決まるという紙一重の展開。「その可能性はあった。だからホッとした」。他力の賭けに勝った西野朗監督の異例ともいえる指示に「西野さんはリスクを取りに行った。個人的には、結果的に素晴らしい采配だったと思う」と指摘した本田は「僕が監督でも、この采配はできなかった。そう客観的に見ていた自分もいた。結果がすべてなので、西野さんはすごいなと思った」と、ただただ感嘆した。

 とはいえ、「サッカーはエンターテインメント。結果主義ではダメだと僕はずっと思っている。結果を出さないとだれも俺の発言を聞いてくれないので、結果だけを追い求めてきているけど、本当はダメ。いいサッカーをしてナンボなんですよ、サッカーって」という本田にとって、終盤の大ブーイングは心に刺さるものがあった。

「ブーイングを送っていた、面白いサッカーを見たかったファンには申し訳なかった」。それでも、決勝トーナメントに生き残るという“結果”がこの日ばかりは何よりも重要だった。「次に進まないと、次にいいサッカーをしてファンを喜ばせることはできない。そこは理解してほしい」。日本国内、そして世界中のサッカーファンに理解を求めた。

(取材・文 西山紘平)

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