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リバプールvsチェルシーを例に“世界レベル”語った冨安健洋「PK戦ですら空気が違う」

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日本代表DF冨安健洋(アーセナル)

 日本代表DF冨安健洋(アーセナル)がカタールW杯敗退から一夜明けた6日、報道陣の取材に応じた。試合後のミックスゾーンでは「先を見られない」と悲痛な言葉を残していた24歳は、この日も「いろいろ考えたけど、まだわからない」と厳しい表情を浮かべ、ミックスゾーンに立った。

 言葉の端々から葛藤がにじみ出ていた。

 ベスト8をかけた一戦の勝敗を分けたPK戦に話題が及んでも「わからないのが正直なところ」と冨安。言葉を選びながら、今年2月に行われた昨季カラバオカップ決勝の激闘を例に挙げて話を切り出した。

「リバプールとチェルシーがPK戦をやって、最後の一人だけ外してというのを見ていた。PK戦ですら空気が違った、レベルが違うと見ていて思った」。両チームとも11人が蹴り合う中、リバプールはGKケレハーが成功したのに対し、チェルシーはGKケパが失敗。GKのキックで明暗が分かれる形でタイトル争いに決着がついた。

「自信だとか、練習しているのかもしれない」。そう振り返った冨安だが「でもPK戦はリーグ戦でやるわけじゃないし……」と迷いは消えない。日本代表をどう強くしていくかについて、どこまで世界基準を要求すべきかという点に葛藤があるように思われた。

 ただ一つ言えるのは、日常のクオリティーが上がらなければ活路は開けないということだ。

「当たり前のレベルが上がれば勝てる集団になると思う。前回大会でフランスが優勝したけど、なぜブラジルであったりが強いのかと言われると、普段どおりのプレーで勝てちゃうから。120%出さなくてもいいからだと思う」

 そう語った冨安だったが「そういう集団になっていくためには時間が必要だし、(日本代表で)それが可能なのかもいまは分からない」と述べるにとどまった。

 現在の日本代表の最終ラインはベテランが主力に並び、次回大会を見据えると冨安やDF板倉滉が中心を担うことが求められる。それでも「まだちょっと先を考えられないという気持ちは変わらない」と冨安。日本代表という場について問うと「W杯を経験して、価値のある場所だと思う」と短く言い残し、複雑な表情でミックスゾーンを後にした。

(取材・文 竹内達也)
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