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「おれは、たぶん大丈夫だと思います」W杯開幕目前も…U-20日本代表MF佐野航大は湧き出す“ワクワク”に笑み

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MF佐野航大(岡山)

 夢の舞台まであと一日に迫ったが、心の底から湧いてくるのは自信と向上心だ。MF佐野航大(岡山)はU-20ワールドカップのグループリーグ初戦・U-20セネガル代表戦を控え、「いいトレーニングを積み重ねてこれている。今までやってきたことを出すだけなのでワクワクしているし、現状で緊張はない」と笑みを浮かべた。

 ムードメーカーでもある佐野は、冨樫剛一監督体制の常連メンバーとしてチームを支えてきた。約一年前のモーリスレベロトーナメントにも参加しており、最終試合となった5位決定戦ではU-20アルゼンチン代表と対戦。2-3と敗れていた。今月15日、その雪辱の相手とアルゼンチンで再戦。結果は1-2と再び敗れたが、今回は結果が伴ったようだ。

 佐野はその試合で45分間出場し、攻守の起点として動いた。「しっかりと差は埋まっているなと感じました」と試合を振り返る。「結果論ですけど、もっと得点も取れるシーンはありましたし、つながっていればチャンスというシーンもあった」。反省点を述べつつも、手応えがあったことも明らかにする。「最後の質という部分は、しっかり細かいところまでこだわってやっていければ問題ない」。敗戦という結果は変わりないが、一年前以上に完成度の高さをうかがわせた。

 目前に控えた大舞台だが、佐野の表情は明るい。「いつも通りに自分の力を出せればできる。平常心でしっかりとやりたいと思います」。今回は世代別のW杯ではあるけれど、“W杯”を経験したいとずっと思っていた。最初のW杯の記憶は2010年南アフリカW杯。次の14年ブラジルW杯の記憶は鮮明だという。「県トレとかもそんなに上位のほうにいる感じじゃなかった。代表とか夢の舞台だと思っていた」と当時を振り返る。

 実力でここまでのし上がってきた。米子北高で大きく成長を遂げ、22年からファジアーノ岡山でプレー。同年に初めて冨樫監督の代表チームに招集された。常連メンバーとして代表活動を経験してきたことで身に着いた胆力が、佐野の表情に不敵な笑みを浮かばせる。「おれ的にはW杯はすごく楽しみ。自分の人生を左右する大事な大会ですけど、3月のアジアカップも力を抜いて、遊び心を持ってやれれば緊張もなかった。おれは、たぶん大丈夫だと思います」。若手屈指の巧みなアタッカーが、世界の舞台に平常心で挑む。

(取材・文 石川祐介)
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