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「チームの士気は落とさない」。誠実に練習へ取り組むDF黒木雄也(鳥栖U-18)はその先を見据える

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U-17日本代表DF黒木雄也(鳥栖U-18)は限られた出番となっているが、士気を落とすことなくトレーニングを継続

「試合にほとんど絡めていないことに悔しさはあります」

 DF黒木雄也(鳥栖U-18)は、2日に決勝を迎えるAFC U17アジアカップを戦いながら、自身の出場機会がここまで2試合53分にとどまっていることに率直な悔しさを漏らした。

 出番を得たのも、これまで経験のなかった右SB。松本遥翔(鹿島ユース)が欠場していた影響によるものだが、持ち味を出せたとは言いがたいプレーぶりだった。特にインドとの第3戦は「自分のところから何度もやられてしまった」内容で、悔いも残した。

 出場機会は限られているが、トレーニングでテンションの落ちたところは見せていない。

「そこはすごく意識している。自分がチームの士気を下げるようなことは絶対にしたくないので」

 1日のトレーニングでも、守備で懸命に戻ってGK裏までカバーに入ってゴールライン上でのスライディングクリアを見せるなど、出番がないから適当にプレーするのではなく、出番がなくとも変わらず練習で全力を見せるという姿勢を貫いている。

 活動を通じて、CBのポジションを争う先輩たちの力も実感した。

本多康太郎選手(湘南U-18)の1対1での球際の強さ、土屋櫂大選手(川崎F U-18)のヘディングの技術、永野修都選手(FC東京U-18)のビルドアップ能力……。そういうところを学べている」

 先輩CBたちのプレーから刺激を受けつつ、彼らの「武器」に対抗して上回っていきたいという思いも新たにしていると言う。

「いまは土屋選手、永野選手、本多選手が主力として自分より上にいると思う。でも世界大会ではまずメンバーに残って、そして自分が一番の主軸になれるくらいに成長していきたい」

 今回の立場は受け入れてチームのために自分の100%を出してきた。だが、この立場のままで終わりにするつもりはない。世界大会ではまた違う自分を見せる。そう心に誓っている。

(取材・文 川端暁彦)
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