beacon

悔しさと決意と。GK荒木琉偉(G大阪ユース)は「世界への再起」を静かに誓う

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-17日本代表GK荒木琉偉(G大阪ユース)は世界を見据えてタイでの日々を過ごしている

 立場は、受け入れている。「最初に呼ばれたときから出られるかどうかわからないとは思っていた」とも言う。ただ、悔しさがないはずもない。

 2日に決勝を迎えるAFC U17アジアカップ。日本は登録23選手中22人をピッチに送り出してきた。唯一の例外が、3人目のGKである高校1年生、荒木琉偉(G大阪ユース)だ。

 191cmとチーム1の長身に加え、足元のスキルもある。「ポテンシャルは3人のGKの中でも一番」と森山佳郎監督もその資質を高く評価し、1学年下からの抜擢となった。本人も後藤亘(FC東京U-18)、上林大誠(山形ユース)の二人の先輩GKに挑み、本気でポジション獲得を狙ってきた。

 最終的に後藤が先発GKに指名され、受け入れてサポートに回ることに。その中で「ベンチでの仕事は自分の中でわかってなかったこともたくさんあって、スタッフから指摘してもらえて良かったことも多かった」とも言う。いま感じている悔しさは代表で見せる気はない。

「チームに戻ったら正GKを確保して、全日本クラブユース選手権とかで絶対にアピールしたい」

 二人のGKに対して「この代表の戦術にまだ慣れていない部分もあった」という点は素直に認めつつ、「代表ではチームよりもGKに長いボールを蹴ることも求められるので、ロングキックの質を上げたい」と具体的な課題も持ち帰る。

 体作りも大きなテーマで、「もっと筋トレも増やして体を作っていきたい」と語るその先に見据えるのは11月のU-17ワールドカップ。森山監督は「世界大会に向けてはすべてのポジションがまた競争になる」と明言しており、まだ誰が日本のゴールマウスを預かるかは見えていない。

 味わった悔しさも、蓄えた経験も、すべて次の機会にぶつけていくだけ。荒木は「またアピールしていくだけ。(正GKを)獲れるように精一杯やっていく」と前を向いている。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
AFC U17アジアカップ タイ2023特設ページ

TOP