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[SBSカップ]U-18日本代表が静岡ユースを2-0で撃破。成長とタイトルを目指し、最終戦へ

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前半26分、U-18日本代表MF鈴木陽人(名古屋U-18)が左足で先制ゴール

[8.18 SBS杯第2節 静岡ユース 0-2 U-18日本代表 愛鷹]

 U-18日本代表が初勝利。「2023 SBSカップ国際ユースサッカー」は18日、静岡県沼津市の愛鷹広域公園多目的競技場で第2節を行い、U-18日本代表と静岡ユースが対戦。U-18日本代表がMF鈴木陽人(名古屋U-18)とMF中川育(広島ユース)のゴールによって2-0で勝ち、成績を1勝1敗とした。

 U-18日本代表は0-1で敗れたU-18韓国代表戦から先発5人をチェンジ。4-2-3-1システムのGKは小林将天(FC東京U-18)で右SB梅木怜(帝京高)、CB尾崎凱琉(大阪桐蔭高)、CB中光叶多(広島ユース)、ゲーム主将の左SB桒原陸人(明治大)の4バック。中盤中央はMF大関友翔(川崎F)とMF神田拓人(尚志高)のダブルボランチとトップ下・MF松田悠世(桐光学園高)で構成。右SH鈴木、左SH中川、1トップにFW神田奏真(静岡学園高)が入った。

 一方の静岡ユースは、清水ユースやJFAアカデミー福島U-18を中心としたメンバー構成。前日はPK戦で惜敗したものの、U-20関東大学選抜相手に健闘を見せている。この日は「打倒・代表」に挑戦。前半7分には前線でFW遠野翔一(藤枝明誠高)が潰れ、DF背後にこぼれたボールにMF花城琳斗(JFAアカデミー福島U-18)が反応する。一気に抜け出してGKと1対1に。だが、U-18代表GK小林が距離を詰め、左足シュートをストップする。

 2列目の鈴木、松田、中川がポジションを入れ替えながらサイドから打開を試みるU-18代表に対し、静岡は花城やMF高田優(静岡学園高)、MF矢田龍之介(清水ユース)が係る形でゴール前までボールを運ぶ。13分にはGK藤崎蒼葉(藤枝東高)のロングキックから遠野が強引に入れ替わり、右足シュート。18分には右SB岩崎海駕(清水ユース)のグラウンダーミドルが枠を捉える。

 静岡はボールを取り切ってショートカウンターへ持ち込むなどU-18代表に渡り合って見せる。だが、U-18代表は26分、相手CBにプレッシャーをかけた中川がインターセプト。一気に加速し、DF3人が寄ったところでサポートの鈴木へ預ける。鈴木は切り返しでDFを外すと左足一閃。正確な一撃をゴール右隅に沈めた。

 U-18代表の船越優蔵監督は「フットボールを甘く見ない。(静岡戦の前に)このチーム、自分がどこに目標を持っているのかを再確認しました。静岡県選抜は素晴らしいチームですけれども、そこに勝つことが目的ではなくて我々は成長することが目的なので、そのためにやろうという話をして、このゲームに挑みました」。年代別代表チームが静岡に苦戦してきた映像も選手たちに見せたというが、あくまで成長するための一戦。焦れずに相手を見て戦い、狙いとする形の一つでゴールを奪って見せた。

 静岡はボールを保持しながらロングボールを交えた攻撃。幾度か縦パスを差し込むが、U-18代表は対応が速く、ともにスピードのある尾崎や梅木、際で強さを見せる中光が決定打を打たせない。そして、随所でキープ力を示す大関や桒原がボールに係わって前進。特に敵陣でボールを奪った際には迫力のある攻撃を見せていた。

 U-18代表は後半開始から桒原と左SB池田春汰(横浜FMユース)を入れ替えると、直後の4分に追加点。敵陣中央のセカンドボールに反応した梅木が前線へ繋ぐ。神田奏が粘って落としたボールを大関が左へさばくと、最後は中川がワンタッチの右足シュートを決め、2-0とした。

 U-18代表は神田拓がボールを奪う回数を増やすなど、流れを渡さない。対する静岡は8分にMF川合徳孟(磐田U-18)とFW舩橋京汰(磐田U-18)を加え、ゲームを動かしに行く。矢田と川合の2年生ボランチコンビを軸にボールを繋いでプレッシャーをかけるが、U-18代表はなかなか隙を見せない。

 U-18代表は12分に神田拓と松田をMF尾川丈(川崎FU-18)とMF安齋悠人(尚志高)へ交代。その後、中光とCB喜多壱也(京都U-18)、鈴木とFW塩貝健人(慶應義塾大)を入れ替えた。

 静岡は32分、右サイドを川合とMF岡谷龍斗(清水桜が丘高)の連係で崩し、37分には舩橋のキープから川合が右足ミドルを放つ。だが、鷲巣延圭監督(藤枝東高)が「ゴール前のところのクオリティですね。ダイナミックにシュートを打てたところはもっとあったと思うし、打ったシュートも枠に飛ばしていなかったし、ちょっとしたクオリティの差がゲームの結果に繋がったんじゃないかと思います」と分析したように、U-18代表の守りを破るだけの質を出せず無得点で敗れた。

 U-18代表の鈴木は「まず昨日は韓国代表にああいう0-1という負け方をして本当に自分たちに何が足りないとかどういう前後半の入りをしないといけないのかというのをチーム内で話して、共有して、きょうは体現できた」と頷く。課題を分析し、表現して快勝した。

 20日の最終節では逆転優勝をかけてU-20関東大学選抜と戦う。あくまで目標は2年後のU-20ワールドカップやその先のステージで輝くこと。その上で船越監督は「優勝のかかった緊迫感のある中で、しかも年上の素晴らしいチームとできる。それほど恵まれた環境でできることはなかなかないと思います。勝ちと育成はorじゃなくて&だと思うので、勝ちに行って優勝目指して、それプラス成長して2個取りしたい」と力を込めた。7月に船越監督が就任し、今回の活動が2年後へ向けた本格的な始動。勝って、より成長してSBSカップを終える。
 
(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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