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古巣から2ゴールの神戸FW有田「昨季以上のゴールを狙っていきたい」

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[5.19 J2第15節 愛媛2-4神戸 ニンスタ]

 期するものが、あった。J2の首位を走るヴィッセル神戸は、FW田代有三、FW都倉賢、FWポポ、FW吉田孝行と、そうそうたる顔ぶれを前線にそろえている。その中で、FW有田光希はなかなか出場機会を得られていなかった。8節の富山戦(0-0)で途中出場して以来、ベンチ入りも1試合だけという苦しい状況にいた有田だが、この一戦には並々ならぬ思いを秘めていた。

「昨シーズン、愛媛さんにはすごくお世話になって、僕自身、サッカー選手としてもすごく成長できた場所だと思っています。1年の中で、ここでやれるのは1回だけしかない。ここまで試合に絡めない時期がありましたが、自分の中でうまくモチベーションを保って、何としてもこのピッチで、昨年成長できた姿を見せたいと思っていた」

 2012シーズン、神戸から期限付き移籍で加入した有田は、チーム最多の14点をマークしていた。今季から神戸に復帰していたが、ここまでノーゴール。それでも、愛媛戦に向けて気持ちを高めていた男は、結果を残す。

 後半25分、ロングボールをFW田代有三が落としたところに走り込み、ピッチに入ってからファーストタッチでゴールネットを揺らした。この今季初得点について「(田代)有三さんのストロングポイントっていうのは、ヘディングの高さや空中戦の強さだと思う。そこを2トップの片割れが狙うっていうのは、誰が出ても狙っていたとこなので。その狙い通りにできて良かったです」と、有田は振り返る。

 リードを2点に広げた神戸だったが、この直後に愛媛に1点を返されてしまう。この状況に、神戸の16番は燃えた。「ちょっと点を取ったり取られたりという展開だったので。自分が入ったところで、流れを渡したくないということがあった」。その言葉通り、速攻から前線へ一気にかけた有田は、PA内でボールを受けると個人技を見せ、右足で2点目を記録した。

「(点を)取られた後、すぐに取り返せたことも良かったと思います。カウンターで3人目の動きというのも大事だなと思っていたので、長い距離を走りました。冷静にGKもDFも、全部見えていたので、流し込むだけでした」

 チームメイトの特徴を理解していた1点目。そして、チーム戦術を完璧にこなした2点目。愛媛サポーターにもあらためて存在感を示すと同時に、神戸サポーターにも大きなアピールになったはずだ。「今まで神戸でゴールという結果を残すことができていなかった。僕自身のシーズンは、ここからがスタートだと思っているので、どんどんゴールを決めて、この位置からでも昨シーズン以上のゴールを狙っていきたい。そのために、これからも努力を続けていきたいと思います」と、力強く宣言した。

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