beacon

本来は出場停止だった岐阜MF染矢「気持ち的には勝ち点2を落とした」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[10.23 J2第35節 横浜2-2岐阜 ニッパ球]

 嫌な予感がしていたのだと、横浜FCのGKシュナイダー潤之介は明かす。「35節が予定通りに行われていたら、染矢は出場停止だったんですよね。今日は彼が利いていたし、実際に点も取られてしまった」と、2度のリードを守りきれなかったことを悔しがった。

 第35節が延期されたことで、FC岐阜のMF染矢一樹の累積警告による出場停止は第36節の松本戦(1-2)で消化され、この試合は出場可能になっていたのだ。実際に染矢は対面したDF中島崇典の背後に仕掛けチャンスをつくり、存在感を示す。また、シュナイダーが振り返ったように、後半4分には同点ゴールを挙げている。

 この場面、右サイドから染矢が斜めに入れたボールは、DF中島崇典に引っ掛かる。ルーズボールになったところをFW樋口寛規がうまくコントロール。最終ラインの裏を取ると、ゴール前に走り込んでいた染矢にラストパス。これを確実に決めた。

「ヒグ(樋口)と相手CBにプレッシャーを掛ければ、ボールを取れるという話はしていたので、信じていました。アイツがよく見ていてくれて、マイナスのボールを入れてくれた」と、染矢は樋口のプレーに感謝した。

 その後、PKから再び失点したが、セットプレーからMFスティッペの同点ゴールで追いつく。FW中村祐輝が退場となったなかでも、追加点を与えずにアウェーから勝ち点1を持ち帰ることになった。

 残留争いの渦中にいるチームにとって、決して悪くない結果だが、染矢は「気持ち的には勝ち点2を落とした感じですね。勝てるゲームだったと思う」と悔しがり、「一人少なくなってからも粘り強く守っていたし、相手が前掛かりになっていたのでスペースがあったので。僕自身は走ってもう1点を取ってやろうと思っていたけど、うまくいかなかった。それでもチーム全員で取った勝ち点1だとは思うし、すぐに次があるので切り替えたい」と話し、次節の栃木戦(27日・長良川)に気持ちを切り替えた。

 栃木戦は横浜FC戦で退場となった中村が出場停止。さらに、この日の先発メンバーのうち5選手が累積警告3枚で、出場停止にリーチがかかっている。J2残留争いに向けて、チームの総合力が問われることになりそうだ。

(取材・文 河合拓)

TOP