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初采配で初勝利に導いた仙台の渡邉新監督「ここがスタート」

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[4.12 J1第7節 横浜FM0-2仙台 日産]

 試合後に仙台サポーターから「ワタナベ」コールが巻き起こる。9日にグラハム・アーノルド監督が退任し、急きょヘッドコーチから監督に就任したベガルタ仙台渡邉晋新監督は、初采配となった横浜FM戦でチームに今季初白星をもたらした。

 開幕から1カ月での監督交代劇に渡邉新監督も「まずはヘッドコーチとしての責任を感じていました」と試合後に口を開いた。だが「急な監督交代になりましたが、チームから監督の要請をいただいたときに今のチームを立て直す覚悟を持ち、監督を引き受けました」と相当の覚悟を持って、監督初戦を迎えていたことを明かした。

 与えられた時間はわずか3日間。その中で重点を置いたのが攻守の切り替えだった。「我々のストロングポイントは何かを改めて考えて、修正してきました。一番ポイントに置いたのは攻守の切り替え。守備でボールを奪った瞬間に攻撃が始まる、攻撃でボールを失った瞬間から守備が始まる。それを強調しました」。

 試合開始からラインを高く設定して、コンパクトな陣形を築いたチームは横浜FMから自由を奪った。ボールを奪えばサイドハーフのMF梁勇基やMF太田吉彰を経由して相手ゴールに迫る。逆にボールを失えば、すぐさま横浜FMのボールホルダーに寄せるなど、選手たちは新指揮官の言葉をピッチ上で体現していた。しかし渡邉新監督は「修正したというよりは、選手たちが取り戻してくれた部分だと思っています」と選手たちの奮闘を称えた。

 リーグ戦7戦目にしてようやくつかんだ初白星。しかし気を緩めることはない。「選手に伝えたのは、ここが我々のスタートだということ。本当に悔しい思いをした部分を今日一日で少し取り戻せたけど、まだまだ先がある。この勝利は自分たちの自信にもつながるし、サポーターに対しても良い笑顔を届けられるように続けていきたい。ここがスタートです」と話したように、新指揮官の気持ちはすでに次戦へと向けられている。

(取材・文 折戸岳彦)

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