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一矢報いたがJ1昇格果たせず終戦…大ブレイクの千葉FW小森飛絢は来季への思いを語る

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FW小森飛絢

[11.26 J1昇格PO準決勝 東京V 2-1 千葉 味スタ]

 後半投入で1点を返し、チームに大きな勢いを与えた。ジェフユナイテッド千葉FW小森飛絢はJ1昇格を果たせず落胆。「悔しいの一言です」と言葉少なげに振り返った。

 大卒ルーキーながらリーグ戦33試合13得点で大ブレイクを果たした。最終節はメンバー外だったが、大一番のJ1昇格プレーオフ準決勝でメンバー入り。前半はベンチから2失点を見るしかなかったが、「0-2で負けていたので、最悪でも3点取らなきゃいけないという状況。自分はゴールだけを目指してプレーしていました」。引き分けの場合でも上位クラブのアドバンテージで東京ヴェルディが決勝へ。残る45分間で逆転勝利というミッションに臨んだ。

 投入直後からチャンスを作り、千葉のペースとなった。そして後半33分に小森が躍動。DF鈴木大輔が後方から縦パスを入れ、MF福満隆貴がフリックし、小森がPA手前でボールを収める。「自分が前向きでボールを受けたので、ゴールしか目指していませんでした」。右足のキックフェイントから左方向にカットイン。PA中央から左足シュートを放ち、名手GKマテウスに当たりながらも、豪快にゴールに突き刺した。

「自分がゴールを取ってチームを救うという気持ちでいたので、ゴールに入ってよかった」。淡々と語る小森の表情は悔しさに満ちていた。渾身のゴールは勝利の喜びに変わらず、千葉は1-2で敗戦を喫した。

 2失点で絶望を味わったサポーターにとって、小森の一撃は救いとなったはずだ。しかし小森は「勝てていないのでそんなことはない」と自身を戒める。「チームを勝たせられるストライカーになっていければ」とさらなる成長を誓った。

 今季躍進もJ1昇格を果たせず、肩を落とす。試合後にはサポーターに挨拶をした。「ここまで応援してくださったサポーターの皆さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と胸中を吐露。「ジェフユナイテッド千葉はやっぱりJ1にいるべきチームだと思う。すごく悔しい敗戦になった」と改めて感情を口にした。

 来シーズンはチームを救う存在となる。活躍ぶりから来季の去就も気になるところだが、J1昇格への決意は固い。「本当に一日一日を無駄にすることなく、J1昇格という目標に向かって日々成長するしかない」。静かに、力強く、自身に言い聞かせていた。


(取材・文 石川祐介)
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石川祐介
Text by 石川祐介

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