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パリ五輪世代MF山田楓喜が自信満々の左足FK弾「当然そりゃ入るよなと」東京Vの16年ぶりJ1ゴールに

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東京ヴェルディMF山田楓喜

[2.25 J1第1節 東京V 1-2 横浜FM 国立]

 東京ヴェルディにとって16年ぶりとなるJ1リーグ戦のゴールは、鮮やかな直接FKから生まれた。前半7分、ゴール右斜め前のペナルティエリア際でFKを獲得すると、キッカーのMF山田楓喜が左足を一閃。壁を越えて鋭く曲がったボールがゴール右上に突き刺さり、貴重な先制点となった。

 VAR介入によるオンフィールドレビューでファウルの位置が変わる流れもあったが、キックに迷いはなかった。「FKになった瞬間、もう蹴るって決めていたし、入るって思っていた。当然そりゃ入るよなという感じだった」。ウォームアップ中の感触も良く、開幕前の練習試合でもFKを決めていたという山田。「あそこら辺は自分のエリア。あの距離やったら入るなというのは感じている」と自信満々にキックを沈めた。

 ゴール後には53026人の大観衆に埋め尽くされたスタンドが沸いた。「ヴェルディでの初めての試合だったので、サポーターの中には俺のプレーを見たことない人もいたと思う。そこでいい印象を与えられたんじゃないかと思う」。そう手応えを口にした山田は「あの瞬間はテンションが上がった」と笑みを見せた。

 それでもこの日のプレータイムは61分間にとどまり、チームは終盤の2失点で逆転負け。山田自身も前半38分、カウンターからの決定機をGKポープ・ウィリアムに阻まれ、追加点のチャンスを活かせなかった。「それもあったし、ソメ(FW染野唯月)も1本あったし、(木村)勇大も1本あった。どれか決めていればまた流れは変わったと思う」。数々の決定機逸を悔やむしかなかった。

 実際に試合を通じたシュート数は13対5の優勢。ゴール前のクオリティーが勝負を分けていた。「決め切る力をマリノスに見せつけられたなと思う」と振り返った山田は「実力を見せつけられたなと思いながらも、チームとしても個人としても全然やれていた印象もある。前半は俺らのほうがチャンスを作っていたし、決め切れる決定力を補っていかないといけない」と冷静に課題を見つめた。

 また山田にとって今季は、夏にパリ五輪を控える勝負の1年。アカデミー時代から所属している京都サンガF.C.を離れ、東京Vに期限付き移籍でやってきた。

 それでも「オリンピックに選ばれたら切り替えてオリンピックに意識を向けるけど、今は考えていない。くて、ヴェルディでどれだけ活躍できるか、どれだけチームを勝たせるか。オリンピックのことは全然考えていない」と山田。まずは新シーズンのJリーグを見据え、トレーニングに励んでいるという。

 4月にはパリ五輪予選にあたるAFC U-23アジアカップを控えているが、いま頭にあるのはチームのことだけだ。「負けはしたけど、個人としてもやれるという印象のほうが大きい。これからもっともっと練習を積んで意思統一がされていくのでどんどん勝っていけるんじゃないかと思う」。大観衆で迎えた開幕戦を経て、たしかな手応えを感じていた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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