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苦労人FWホセルが窮地から大逆転2発!! R・マドリー、王者シティに続きバイエルンも劇的に破って2年ぶり欧州CL決勝へ

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FWホセルが劇的2ゴール

[5.8 欧州CL準決勝第2戦 R・マドリー 2-1 バイエルン]

 UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は8日、準決勝第2戦を行い、レアル・マドリー(スペイン)がバイエルン(ドイツ)が2戦合計スコア4-3で破り、2年ぶりの決勝進出を決めた。1点ビハインドの後半43分から34歳のFWホセルが2ゴールを決め、大逆転での劇的突破。6月1日の決勝ではドルトムント(ドイツ)と対戦する。

 準決勝で王者マンチェスター・シティを延長PK戦の末に破ったR・マドリーは2-2で終えた第1戦から先発1人を変更。DFルーカス・バスケスに代わって出場停止明けのDFダニエル・カルバハルが復帰した。一方、準決勝でアーセナルを下したバイエルンは3人を変更。失点に絡んだDFキム・ミンジェに代わって負傷明けのDFマタイス・デ・リフトが復帰した他、MFトーマス・ミュラーとMFレオン・ゴレツカに代わってMFセルジュ・ニャブリとMFアレクサンダル・パブロビッチが起用された。

 R・マドリーは4-2-2-2の布陣。GKアンドリー・ルニンが引き続きゴールを守り、4バックは左からDFフェルラン・メンディ、DFナチョ・フェルナンデス、DFアントニオ・リュディガー、カルバハルが並んだ。ボランチはMFトニ・クロースとMFオーレリアン・チュアメニが組み、その前はシャドー気味にMFジュード・ベリンガムとMFフェデリコ・バルベルデ。2トップはFWビニシウス・ジュニオール、FWロドリゴ・ゴエスが入り、いずれもサイドに流れる役割を担った。

 対するバイエルンは4-2-3-1のシステム。GKマヌエル・ノイアーが通算140試合目を飾り、4バックは左からDFヌセア・マズラウィ、DFエリック・ダイアー、デ・リフト、DFヨシュア・キミッヒが並んだ。ボランチはパブロビッチとMFコンラッド・ライマーが構え、2列目は左からニャブリ、MFジャマル・ムシアラ、MFレロイ・サネ。FWハリー・ケインが1トップに入った。

 試合は互いにサイドを主体に攻撃を展開。まずは前半6分、R・マドリーが左サイドの組み立てを起点に右へと送り、カルバハルのクロスがゴール前に入ったが、ロドリゴにはわずかに届かず。一方のバイエルンは同8分、ムシアラのスルーパスに反応したニャブリが中に折り返したが、ケインには惜しくも合わなかった。

 最初の決定機はR・マドリーが迎えた。前半13分、右サイドのクイックなスローインからカルバハルが中央に股抜きのパスを送ると、これを受けたビニシウスが右足でシュート。これはノイアーの手をかすめ、左ポストに当たる。また跳ね返りをロドリゴが狙ったが、これもノイアーのスーパーセーブに阻まれ、ゴールは奪えなかった。

 なお、直前のプレーではダイアーのクリアがラインをかすめる形でR・マドリー陣内に飛んできており、リュディガーとニャブリが追いかけていたことから、両チームの選手が一時的に2つのボールにプレーしていた格好に。そのためバイエルンの選手たちはスローインによる再開に抗議した。

 そうして迎えた前半26分、バイエルンに痛いアクシデント。先発抜擢のニャブリが足を痛めてプレーを続けられなくなり、DFアルフォンソ・デイビスがそのまま左サイドハーフに投入された。同29分、バイエルンはケインが浮き球から果敢にミドルシュートを狙ったが、これはルニンがかすかに触ってかき出した。

 その後はR・マドリーの攻撃がバイエルンのブロックに阻まれ、跳ね返りを拾ったバイエルンがカウンターを見せる場面もあったが、決定機には至らず。同40分、R・マドリーはビニシウスのクロスをロドリゴが足を出しながらも見送り、流れたボールがバイエルンゴールを襲ったが、ノイアーの横っ飛びに弾かれた。

 そのまま後半を迎えると、R・マドリーはビニシウスが左ウイングに開き、ロドリゴが1トップ、ベリンガムがトップ下、バルベルデが右サイドに回って4-2-3-1のシステムに変更。すると直後、ベリンガムが左サイドをえぐってゴール前に折り返し、バルベルデが触っていたら同点というビッグチャンスを作り出した。

 その後もビニシウスは止まらない。後半7分、まずはキミッヒを抜き去って左サイドをえぐり、またしても折り返しのパスでチャンスを創出。同10分にはデ・リフトとサネに詰め寄られながらも中に送り、ついにロドリゴに合わせたが、ワンタッチシュートはわずかに右へ外れた。

 R・マドリーは後半13分、ベリンガムがゴール前で倒されてFKを獲得すると、ロドリゴがゴールを狙うが、ノイアーが横っとびでファインセーブ。また同15分にはバイエルンのカウンターが不発に終わると、逆カウンターに出たビニシウスが今度はカットインからシュートを狙ったが、これもノイアーの完璧な横っ飛びセーブに阻まれ、試合の均衡は保たれた。

 ビニシウスはなおも止まらず、後半19分には鮮やかなダブルタッチでキミッヒをかわし、倒れ込んだところでハンドを誘発。左サイドの主導権を完全に手中に収めた。一方のバイエルンも同21分、ムシアラがペナルティエリア左を攻め込み、ようやく可能性のあるシュートを披露。だが、これもルニンのセーブに阻まれた。

 それでも後半24分、均衡を破ったのはバイエルンだった。中盤でムシアラがロドリゴとのデュエルを制し、カウンターを仕掛けると、ハーフウェーライン付近で前を向いたケインが左サイドに展開。これを受けたA・デイビスがカットインから利き足ではない右足を振り抜き、強烈なシュートをゴール右上隅に突き刺した。デイビスは途中出場での大仕事。これが欧州CL初ゴールで、トーマス・トゥヘル監督の采配が見事に当たった。

 ビハインドとなったR・マドリーは後半25分、クロースとチュアメニのダブルボランチを同時に下げ、MFルカ・モドリッチとMFエドゥアルド・カマビンガを投入。すると同26分、さっそくこの交代が効いた。モドリッチの短い右CKをバルベルデが中央に折り返すと、ナチョが右足シュート。これがバイエルンの選手に当たってゴールマウスに吸い込まれた。

 失点直後の同点ゴールにサンティアゴ・ベルナベウは大歓声。だが、ここでVARが介入した。争点となったのはペナルティエリア内での競り合い。ナチョがキミッヒの顔を押さえたことで、キミッヒが倒れ込んでおり、シモン・マルチニアク主審がオンフィールド・レビューを行った結果、ゴールは認められなかった。

 バイエルンは後半31分、サネに代わってキム・ミンジェを投入し、5-4-1にシステムを変更。一方のR・マドリーは同36分、バルベルデとロドリゴを下げてMFブラヒム・ディアスとFWホセルを入れ、最後の反撃に出た。

 その後はR・マドリーの猛攻が続く中、バイエルンは同39分、ムシアラがプレーを続けられなくなり、ミュラーを入れて最後の交代回数を消費。直後にはパブロビッチが足をつって一旦ピッチから離れ、満身創痍の状況となった。

 すると後半43分、R・マドリーがこじ開けた。ノイアーのスローイングをモドリッチがカットし、ボールを前進させると、ビニシウスのカットインシュートがノイアーを強襲。前にこぼしたボールをホセルが押し込み、土壇場で同点に追いついた。

 なおもR・マドリーはペースを止めず、一気にたたみ掛けた。後半アディショナルタイム1分、ペナルティエリア内に人数をかけて押し込むと、ナチョが収めて左にパス。これに抜け出したリュディガーが折り返すと、中に飛び込んだホセルが押し込んだ。副審はオフサイドフラッグを上げていたが、VARが介入した結果オンサイドと判明。劇的な逆転ゴールとなった。

 32歳でスペイン代表に初めて選ばれた“苦労人”として知られ、今季R・マドリーに期限付き移籍で加入した34歳のホセルは欧州CL決勝トーナメント初得点を含む2ゴールの大仕事。シーズン当初はゴールが決まらず苦しむ時期も続いたが、初の大舞台で見事な結果を出した。そのまま試合はタイムアップ。R・マドリーが14度目の欧州制覇を果たした2021-22シーズン以来2年ぶりの決勝進出を決めた。

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データ提供:Opta
※大会の公式記録と異なる場合があります
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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