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Jとの練習試合でさらなる進化!城西国際大が4試合連続2桁得点!

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[10.14 千葉大学2部L第6節 城西国際大17-0秀明大 城西国際大G]

 城西国際大が4試合連続2桁得点! 平成24年度千葉県大学サッカーリーグ秋期 2部リーグは14日に第6節を行い、本格強化2年目の城西国際大は「PRINCE TAKAMADO MEMORIAL SPORTS PARK(高円宮殿下記念スポーツパーク)」(城西国際大G)で秀明大と対戦。FW香川滉太(1年=瀬戸内高)の6得点など17-0で大勝し、開幕5連勝(不戦勝1、未消化1試合)とした。

 Jクラブとの対戦が新たな刺激になっている。城西国際大は今月3日、J2のジェフユナイテッド千葉と練習試合で激突。CB呉島勝士(1年=広島皆実高)が「Jとやって一番に感じたのは切り替えのところ。自分たちは取られてもまだちょっと守備に入るのが遅い。Jの選手たちは取られたら、考える隙がないくらいにすぐ守備をしてくる。(その経験から意識が変わり)きょうの試合でも徐々に変わってきていると思いました」と語ったようにレギュラーを1年生が占める“1年生軍団”はJとの対戦で得た貴重な経験を力に変えている。

 コンサドーレ札幌のチーム統括部長、横浜F・マリノスのゼネラル・マネージャー、日本代表チームコーディネーターなどを歴任してきた小山哲司監督は「(千葉の関係者から)『面白い選手いますね』とか『運動量が落ちませんね』『走るね』みたいなことは言われた。お世辞もあるだろうけどね。ただ結果とかはいいんですよ。選手たちが(プロの選手と戦うことで)『これくらいできるな』とか、『全然ダメだな』といったことを感じてくれればいい。自分が口で言うよりもずっとずっと伝わるからね」。1年生中心のチームであるが、プロから速さ、激しさを学ぶために今後も機会があればJクラブに胸を借りる機会を設定する予定。すでに16日にJ王者の柏レイソルと練習試合を行うことも決まっている。選手たちにとっては“現在地”を見極めるための重要な試合のひとつとなるだけにMF小嶋慶蔵(1年=長崎日大高)は「自分はドリブルが得意なので、レイソルのサテライト相手にどこまでできるかということを火曜日の試合でやっていきたいと思います」と意気込んでいた。

 秀明大戦は千葉との対戦で新たな経験を得てから初めての公式戦(第5節東洋学園大戦は順延)となった。4-2-3-1システムで臨んだ城西国際大はGK平山優樹(1年=長崎日大高)、4バックは右から溝口大気(1年=室蘭大谷高)、呉島、重行拓也(1年=広島ユース)、津川暢彰(1年=札幌U-18)の4人。中盤は橋本渉(1年=広島皆実高)と小嶋がダブルボランチを組み、両ワイドは右が古川大貴(1年=佐賀東高)で、左が花本敏生(1年=米子北高)、トップ下には米澤康太(1年=都城工高)が入り、1トップは香川が務めた。

 秀明大は交代選手のいないギリギリの11名で参戦。個々の能力差は歴然としていたが、それでも選手間で非常に声の出る好チームでコンパクトな守りから健闘していた。だが、千葉との練習試合を経て守備意識の高まった城西国際大は相手に全く攻撃機会を与えない。そしてSB含めて強力なサイドアタッカーが多数いる城西国際大は、食いついてくる相手DFをサイドでのワンツー、ドリブル突破で次々と攻略していった。

 前半15分、左サイドの花本が右中間の古川へラストパスを通すと、古川はトラップから強烈な右足シュートをゴールへ突き刺し先制。さらに17分には津川の左クロスをGKがファンブルし、これに詰めた香川が左足で2点目のゴールを決めた。さらに21分には自陣からつなぐと、中央の橋本が左サイドを駆け上がった津川へ展開。鋭く縦へえぐった津川の折り返しを米澤が左足ダイレクトでゴールへ叩き込んだ。

 攻撃回数があまりにも多かったため、クロスボールがゴールラインを割るなど単純なミスも見られたが、相手を全くPAに入れずに攻め続ける城西国際大は41分にも古川の左FKをファーサイドの重行が頭で合わせて4-0。前半42分にも縦横無尽のドリブルで相手を切り裂いていた花本の左クロスを香川が身体能力の高さを示すヘディングシュートでゴールを破り、前半だけで5点リードを奪った。

 相手のミスや足を攣らせる選手も増えた後半は、完全に秀明大を圧倒。開始20秒で花本が左足シュートを決めると、2分には米澤の右クロスから「出た試合は3点以上獲っているので、きょうも3点獲れたらいいな、という気持ちで入っていた。前半、2点しか獲れなかったので、もっと点を獲れるようにと後半も入っていました」という香川が左足シュートを決めてハットトリックを達成する。さらに5分にも香川、8分には米澤が加点すると、9分に投入されたMF工藤和樹(1年=仙台育英高)が相手のミスを逃さずに3連続ゴール。その後も後半開始から出場していたFW井之元和之(1年=都城高)が2得点を加える。

 そして14-0の38分には右サイドをえぐった溝口のラストパスから香川がゴール。40分にも相手GKのキックをインターセプトした香川が自らのシュートのこぼれ球を右足で押し込んでこの日6点目を挙げる。そしてロスタイム突入後の48分には橋本のラストパスからディフェンスラインを突破した井之元が自身3点目を決めてゴールラッシュを締めくくった。

 守っては後半20分から出場のCB佐々木祐介(1年=大津高)含めて安定し、相手をPAに近づけることなく完封勝利。千葉2部リーグでは未だ無失点でレベルの差を見せつけている。 

 リーグ戦では大差のつく試合が続いているが、チーム内の競争は激しさを増している。BチームがIリーグで駒澤大など強豪から勝利するなど自信と経験を加えて成長。AチームとBチームとの差が埋まり、週一度の練習試合は非常に白熱しているという。工藤は「競争は凄く激しいですね。同じポジションにも強い選手が何人もいる。そこでポジションを勝ち取っていくのは大変ですけど。技術は他の人に比べて劣っているので気持ちとか、運動量とかその面では負けないようにしている。前に行く気持ちだったり意識は以前と比べて全然変わって、成長できていると思います」と個人、チームの成長に胸を張った。

 千葉県1部リーグ昇格を懸けたリーグ戦ではこれから上位対決が始まる。津川は「(千葉戦では)個人的にはきょうみたいに仕掛けていったんですけど、抜けなくても前への意識があれば、相手がジェフでも嫌だと思うので、そこはやっていきたい。自分が攻撃に関わったことでゴールに結びつけるということと、守備はゼロで抑えていきたい。簡単にやるところはシンプルにやって逆サイドに展開するとか、サッカーを知らないといけないと監督も言っているので、そこはチームとして共通理解ができるようにしていきたい」。Jとの対戦や激しいチーム内競争から確実に成長していくこと。そして上のステージへ上がるために、イレブンは経験を今後のリーグ戦の勝ち点3に結びつける。

[写真]前半15分、城西国際大MF古川が先制ゴール!

(取材・文 吉田太郎)

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