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[関西選手権]「めちゃめちゃ面白い」「何をするにも楽しい」就任1年目の實好監督率いる大阪学院大が関学大破り総理大臣杯へ!

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大阪学院大が総理大臣杯出場を決めた

[7.10 関西選手権準々決勝 関西学院大0-2大阪学院大]

 今季より實好礼忠監督が指導する大阪学院大が、3大会ぶり5回目の総理大臣杯出場を決めた。タレントが揃う実力校の関西学院大を破っての出場権獲得。Jクラブでの指導実績も十分に持つ新監督は、「もともと藤原監督が大きな流れを作ってくれていた。いい形で受け継ぎたいと思っていた。今日は選手たちが頑張ってくれた」と前任者への感謝、そして選手たちの健闘を称えた。

 序盤から勢いよく攻め立てた。前半16分、左から上がったクロスに勢いよく入り込んだMF國分龍司(4年=G大阪ユース)が豪快に蹴り込んで先制。その後は関学大の厚みのある攻撃を我慢強くしのぐと、後半32分にはFW澤崎凌大(3年=徳島ユース)のスルーパスに反応したFW北田統士(1年=大阪学院高)が貴重な追加点を決めて、勝利をグッと引き寄せた。

「J1だからとか、J3だからとかは関係ない。しっかりとした取り組みを全力でやっていくスタイルなので。ここでしっかりと未来のある子供たち、子どもと大人のラインのところですけど、手助けするのが僕の仕事。(コーチの)石櫃や松代もいろんな経験をしている。いい環境ではあると思います」

 “ガンバタッグ”での強化が進められている。昨年末まで愛媛で監督を務めた實好監督は、今年1月に大阪学院大の監督への就任を発表。同時にGKコーチとして、G大阪のトップチームコーチを退任したばかりの松代直樹氏を招へいすることも発表になった。松代氏には複数のオファーがあったが、實好監督が誘う形で実現したという。

 部員200人を超える大所帯を見る生活。これまでは人数が限られたJクラブで指導してきただけに、難しさもあった様子だが、それよりも今は楽しさが上回っているという。「めちゃめちゃ面白い。練習にも入ってやっているし、みんなでワイワイするところと、規則の中で生活するところで、何をするにも楽しいですね」と充実の表情を浮かべる。

 スムーズにチームに入れた訳には、巡り合わせも少なからず影響している。今季の主将に就任した國分は、G大阪ユース時代に約1年半、師弟関係となった実績がある。「龍司は僕のスタイルを知っているし、僕の意図も知っている」。國分も「聞いたときはビックリしたけど、嬉しい気持ちもあった。懐かしい感じ。練習メニューもそうですし、面白いところも変わっていない」といたずらっぽく笑う。

 リーグは現在11位と苦戦しているが、「ようやくいろんなことが出来るようになってきた」(實好監督)と手ごたえも感じ始めている。そして総理大臣杯出場権獲得と、結果が出たこと何よりの自信にしていきたいところだ。「もう一回鍛えながら、選手と成長を実感しながらぶつかっていきたいです」と實好監督が話せば、國分も「全国大会で活躍できればチームの評価が上がる。自分の評価も上がっていけばいいと思っています」と1か月半後の戦いに向け、胸を躍らせた。

(取材・文 児玉幸洋)
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