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アトレティコ、過激ウルトラス“フレンテ・アトレティコ”の追放を決定

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デポルは“リアソール・ブルース”が位置していたスタンドを今後2試合で閉鎖

 アトレティコ・マドリーは2日、デポルティボのウルトラス“リアソール・ブルース”と衝突し、1人の死亡者を出した自クラブのウルトラス“フレンテ・アトレティコ”の追放を発表した。

 アトレティコは“フレンテ・アトレティコ”に所属するメンバーが“リアソール・ブルース”との衝突を事前から予定していたことを受け、同ウルトラスをクラブ公認のペーニャ(応援グループ)から除外することを伝えている。今後、本拠地ビセンテ・カルデロン内で、横断幕など“フレンテ”の存在を示すものを、すべて排除するように努めていくとのことだ。同クラブは加えて、公的機関、国家治安部隊、メディア、アトレティコのファンに対して、「スポーツの本質、それに内在する価値を侵害する振る舞いを見せる人間の身分を紹介する」ための協力も求めている。

 アトレティコはその一方で、ミゲル・アンヘル・ヒル・マリンCEOが以前に「ウルトラスを解散させるのは私ではない」と発言した理由も説明。今回の声明で、“フレンテ”がクラブに所属するグループではなく、同ウルトラスの解散については然るべき権限を有した組織が行うべきとの考えが記されている。

 “フレンテ”はスペインでウルトラス文化が根付き始めた1982年に生まれ、時間の経過とともに極右集団の体を成していった。同ウルトラスは今回の衝突以外にも多くの事件を起こしており、代表的な事件には1998年にメンバーの一人がレアル・ソシエダのファンであるアイトール・サバレタさんを殺害した罪で逮捕されたこと、2005年にアトレティコの練習場を襲撃し、監督と選手たちに脅迫的な行為を働いたことなどが挙げられる。

 “フレンテ”は約4000人が位置するカルデロンの南スタンドのゴール裏に陣取っていたが、実際のメンバー数は1000人程と見られている。アトレティコは応援ゾーンとなっているこの南スタンドについて、チームを純粋に応援してきたソシオは、今後も同スタンドで観戦することが可能であると説明。しかしながら南スタンドへの入場の際には、厳格な身分証明が義務付けられることも伝えている。

 アトレティコは今回の声明を、「アトレティコ・マドリーは、今回のような悲しむべき出来事が二度と起こらないこと、サッカー界のファンの間の敬意の存在、融和の新たな時代が幕を開けることを信じています」と締めている。

 一方、デポルティボも同日に声明を出し、“リアソール・ブルース”が位置していたスタンドを、マラガと対戦する3日のコパ・デル・レイ4回戦ファーストレグ、6日のリーガエスパニョーラ第14節で閉鎖することを発表。スタジアムを「スポーツ精神と社会的模範の表明」の場に変えることを伝えた。また同クラブのティノ・フェルナンデス会長は、「今後“リアソール・ブルース”が、スタジアム内に存在することはない」と明言している。

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