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[EL]リバプールを逆転劇に導いたクロップ 「イスタンブールの再来だ」

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 ドラマティックな逆転劇は、2005年のチャンピオンズリーグ(CL)決勝を思い起こさせた。それはまさに、リバプールユルゲン・クロップ監督が選手たちに求めていたことだった。

 リバプールは14日のヨーロッパリーグ(EL)準々決勝セカンドレグで、ドルトムントにホームで4-3と逆転勝利し、2試合合計スコアで5-4としてベスト4に駒を進めた。

 ファーストレグで1-1と引き分けていた指揮官の古巣との一戦は、リバプールにとって厳しい戦いだった。9分までに2点を先行されると、後半立ち上がりに1点を返して迎えた56分に再び失点。2試合合計で2-4とされた。3つのアウェーゴールを許し、勝ち進むには3点が必要となった。

 だが、残り30分でリバプールは大逆転劇を実現させた。選手たちを後押ししたのは、クロップ監督のハーフタイムの檄だったかもしれない。イギリスメディアが、試合後のコメントを伝えた。

「ドルトムントのカウンターは守れないときがある。4分、9分と決められた。それで試合終了ということもサッカーでは少なくない。だが、ここでは、このリバプールというチームとの試合では、そうじゃないんだ」

「ハーフタイムの雰囲気は良かった。失点は別にして、全体的な試合には私も満足していたよ。そして選手たちに言ったんだ。『私はいなかったが、今では大半がテレビの解説者を務めている少し上の世代のリバプールの選手たちは、前半で0-3とされながらCL決勝を制したんだ。だから、難しくても可能なんだ。我々はトライしなければいけない』とね。そして選手たちはそれを実現した」

 リバプールはイスタンブールで開催された2005年のCL決勝で、ミランを相手に前半だけで3失点した。だが、後半に3ゴールを挙げて追いつくと、PK戦を制してタイトルを獲得。「イスタンブールの奇跡」と絶賛された。

 勝ち上がりを決めた選手たち、そして後押しした観客に、クロップ監督は賛辞を寄せている。

「(3点目を決められてから)選手たちは闘志を見せた。素晴らしかったね。最上級の質を持つチームを相手に、こういう試合で挽回するには、運も少し必要だ。だが、試合を見た人なら、最終的に(リバプールの突破は)妥当だったと言うだろう」

「見事な雰囲気だった。我々が一緒に成長していくために、こういう経験は必要なんだ。これで我々は一つの節目となるような試合をした。本当に良いことだ」

 スタジアムが見事な雰囲気だったのは、リバプールが15日にヒルズボロの悲劇から27年目を迎えることも関係していた。試合前には黙とうも行われた。

 クラブとサポーターにとって特別な時期だからこそ、クロップ監督は逆転勝利にさらなる喜びを感じているようだ。母国ドイツの『シュポルト1』で、次のように述べている。

「我々は自分たちがドルトムントより強くないと分かっている。だが、まったく勝利に値しなかったわけでもない。明日はこの場所にとって特別な日、(ヒルズボロの悲劇の)メモリアルデーだ。だから、その前日に良い結果を出せて良かった」
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