beacon

「日本の宝石がサンパオリ監督の信頼を勝ち取る」 スペインメディアが清武を特集

このエントリーをはてなブックマークに追加

集中力、学習能力に優れ...“食通”の一面も?

 17日付のスペイン『コンフィデンシャル』は、「日本の宝石がサンパオリ監督の信頼を勝ち取る」というタイトルでセビージャMF清武弘嗣の特集記事を掲載している。

 まず、清武が現地メディアを驚かせたのは、負傷からの回復力だ。清武はプレシーズン合流後3日目の練習で内転筋を痛め、戦線離脱を余儀なくされた。だが全治6週間と診断されたのち、清武は一時帰国して治療に専念。わずか3週間で復帰を果たしている。

 一方、クラブは清武への信頼を深めている。ホセ・カストロ会長は敏腕スポーツディレクター(SD)であるモンチ氏の手腕を称賛し、「清武の獲得はモンチがシルクハットから取り出してきた類のものだよ」とアジア市場のマーケティングのための選手補強ではなかったことを強調している。

 セビージャはハノーファーに移籍金600万ユーロ(約6億7000万円)を支払い、清武の獲得を決めた。モンチSDは「彼のフットボールこそクオリティーの証明だ。フットボールにおいて、ピッチ内には共通の言葉がある。彼のキック、突破力、パーソナリティー、ポゼッションの能力...。トップ下と両サイドでプレーできる彼は非常に興味深い特徴を備えているんだ」と日本代表MFへの高い評価を口にした。

 現時点でスペイン語を話せない清武は、クラブ内で英語やドイツ語を話せる人間を常に探しているという。遠征では、ウクライナ代表MFイェフヘン・コノプリャンカと同室のようだ。あるチームメートは「彼らはドン・キホーテの新説でも考えているんじゃないかな」と2人の奇妙な関係性を冗談交じりに語っている。

 セビージャで総務を務めるフアン・マルタゴン氏は、清武を一番近くで見ているひとりだ。「すごく明るくて、礼儀正しい青年だよ」「仕事に取り掛かる姿勢は異常なほど」「練習中は常に200%だ」「彼の集中力、学習能力は称賛に値する」。清武を形容する言葉は尽きないようである。

「そして、何より驚くのはいつも時間を守ることだ。彼をホテルに迎えに行くのは私の役目だが、何時に集まるときでも、彼はドアの前で私を待っているんだよ」

「おはよう、こんにちは、さようなら、またね...。キヨはそういう言葉ならもう覚えている。彼の向上心はものすごく、チームに溶け込もうと必死だ。セビージャという素晴らしいチームで、非常に早くチームに溶け込んでいると思うよ」

 また、清武はセビージャで“食通”として知られているようだ。マルタゴン氏は語る。

「キヨは何でも食べるね。この前なんて、薄切りのハムを食べていてね。『ハムが気に入ったのか?』と聞いたら、『だって、イベリコ豚のハムだよ!』と返してきたのさ」

 清武はセビージャで確かな一歩を踏み出している。ホルヘ・サンパオリ監督の信頼を勝ち取り、チームメートと良い関係を築き、クラブ内部で働く人間を驚かせている。新たなクラブと5年契約を交わした清武が、セビージャの“王様”になる日も近いかもしれない。

●欧州組完全ガイド
●リーガ・エスパニョーラ2016-17特集
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP