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「adidas cup in Fukuoka」周囲から高評価得た松山工が都城工に逆転勝ちして3位に

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[8.20 adidas cup in Fukuoka3位決定戦 松山工高 3-1 都城工高 グローバルアリーナ]

 「adidas cup in Fukuoka」3位決定戦で松山工高(愛媛)と都城工高(宮崎)が対戦。松山工がMF日野貴登の2得点などによって3-1で逆転勝ちした。

 今大会、東海大五高(福岡)の名将、平清孝総監督をはじめ、各指導者が高い評価を与えていたのが松山工だった。3位決定戦では宮崎の古豪、都城工に先制点を許したが逆転勝ちで3位に食い込んだ。総体予選では準々決勝、準決勝の2試合連戦となった準決勝で済美高にPK戦で敗退。だが「もう一回基本に帰ろうかということでボール扱いとかボールを動かすこととか、ちょっと足りなかったハードワークを見つめ直してきました」(坂本哲也監督)というチームはこの夏、県外遠征を控えて1対1や技術面の基礎からのトレーニングを実施し、栄養面でも食事の量を増やすなど身体づくりから改善してきた。

 成果はまだ出だしているところだが、今大会では主力MF吉村泰成が不在の中でも、MF越智楓岳やMF大木秀仁を中心としたパスワークで対戦相手たちを凌駕。都城工戦ではセカンドボールを支配された前半、15分にMF柚木啓吾に先制ヘッドを決められた。だが21分、右サイドへ抜け出したエースFW野川稀生のラストパスを日野が左足でゴールを沈めると、後半4分には日野の左クロスからMF山西恭平が勝ち越しヘッドを叩き込む。松山工はさらに10分にも左サイドから日野が鮮やかな右足シュートを決めて3-1と突き放した。

 一方、都城工は「相手の前に体を入れるのは自分の持ち味。(武器は)フィジカルですね。自分よりもデカい人には負けたくない。自分たちの特長が堅守速攻で自分が収めて、繋いで攻撃を開始する」という10番FW甲斐巨真が抜群のキープ力を示して前線でボールを収めてチームを押し上げる。その甲斐に柚木やMF黒木大雅らが絡んでチャンスをつくった都城工だが、2点目を奪うことができなかった。3-1で勝った松山工の守備の柱・CB筑波柊は「前半の最後の方にはセカンドボールを取れ出して、繋ぎ出すことができて追いつけたことが大きかった。後半は自分たちのやってきたサッカーをやって相手を崩して得点できたと思います」と納得の表情を見せていた。

 都城工は前日19日の予選リーグ最終戦でルーテル学院高に1-0で勝利するなど今大会2勝。整理してきたという相手を見て守るという部分は成果が出てきているだけに永野雅崇顧問が「(選手権では)緩急つけながら崩すというところがポイントになる」という点の精度を高めて、壁として立ちはだかる鵬翔高と日章学園高撃破、そして選手権切符獲得に挑む。

 勝った松山工の筑波は「選手権は前から来るチームと引いてくるチームがあるので、その中でも自分たちのサッカーを曲げずにやっていきたいので、得点力と守備力で相手を翻弄したいと思います」ときっぱり。日野は「絶対優勝して坂本先生とともに今までお世話になった先生とか保護者の方に恩返しできるように全国に連れて行きたい」と誓った。プリンスリーグで課題となっていたゴールを決めるという部分でも成果が出てきている松山工。周囲からの評価を高め、「次につながっていくフェスティバルになったと思います」(坂本監督)という「adidas cup in Fukuoka」を選手権全国出場に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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