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[MOM4127]國學院久我山MF高橋作和(3年)_攻守の第一歩。ストロングポイントは「サッカーが上手い」

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國學院久我山高の攻守の第一歩、MF高橋作和(3年=三菱養和SC調布ジュニアユース出身)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.27 高円宮杯U-18リーグ東京1部第17節 成立学園高 2-3 國學院久我山高 成立学園鷲宮G]

 選手権東京都代表の國學院久我山高・李済華監督が、「コイツは本当に良い。最高に良いんじゃない」と絶賛するMFだ。その指揮官もMF高橋作和(3年=三菱養和SC調布ジュニアユース出身)について、特別な高さや速さ、強さ、凄まじいドリブルやキックを備えている訳では無いことを認める。

 その上で「何が、というと彼は『サッカーが上手い』。『サッカーが上手い』というのが最高のストロングポイントなのに、みんな(言うのは速さや強さばかりで)見失っているよね。『サッカーが上手い』典型的なのがイニエスタ。ウチのイニエスタと言ったらイニエスタに失礼だけど。今日も良かった。最近、ずっと良い」。選手権予選でインターハイ全国2位の帝京高を破った試合も2得点のエースFW塩貝健人(3年)がヒーローになったが、指揮官は「彼(高橋)が良かった。ビデオなんか見ると、どこにでもいるじゃんと。どこにでもいて、どこでも第一歩をやっている」と分析。攻撃の第一歩、守備の第一歩になる文武両道のMFに大きな信頼を寄せている。

 高橋は「こういう選手なので突出したところがなければ頭を使うしか無いと思っている。足が速い訳でもないし、身体能力が高い訳でもないので頭使ってというところは凄く意識していますし、色々な世界の選手を見ていても中盤はみんな頭が良いというか、先のことを予測してプレーできる。モドリッチとか、カンテとかめっちゃ強い訳では無いですけれども、先を読めるからこそ相手からボールを獲れる。監督からも言われますし、それは意識しています」。同時に意識していることは常に冷静で、コンスタントに活躍することだ。

「中盤がしっかりしていないと。中盤の選手が調子よくないとかだったら話にならない。それは世界的に見ても中盤の選手は常に冷静にプレーして波がないなと。どこか悪いところがあっても、他のところでカバーしたり、できないなりにやろうと意識しています」

 この日も攻守の第一歩として李監督から高い評価を得ていたが、本人にとっては悔しい内容。インサイドハーフの高橋は序盤、予測力を働かせてボールを奪い取っていたが、成立学園高のビルドアップの質が高く、徐々に奪えなくなって行った。また、敵陣ゴール前での質を上げることができず、チャンスをフイに。選手権予選決勝のようにゴールを決めることができなかったものの、その中で頭を使い続け、ポジショニングや運動量で冷静にカバーしていた。

 チームは2度のリードを追いつかれ、流れの悪い時間帯もあったが、要所を封じて勝ち越し点を許さず。競り勝ち、選手権予選に続く2冠の可能性を高めたことを高橋は素直に喜んでいた。

 進学校の國學院久我山の中でも成績優秀。帰宅後の3時間など勉強にも多くの時間を費やしている一方、李監督も驚くほど常にサッカーのことを考えているという。1年時は選手権予選のメンバーにも入れず、「どうすれば自分の中で上手く行くかなと考えるようになって、頭を使える選手というのは貴重かなって」。頭を使ってボールを奪う数や得点数を増やした高橋は2年時から先発を獲得し、現在は攻守両面でチームを支える選手になっている。自分の特長や技術面をより向上させて上のステージで活躍することが目標だ。

 その高橋は「選手権では存在感を出したいですね。利いているな、と言われるのは嬉しいですけれども、自分の中でももっともっとと思っているので。日本代表、海外の試合を見ていても中盤でボールを獲れる選手とか、点を獲れる選手は貴重な存在だと思うし、一番凄いなというか、こういう選手がいれば自分もいいなと思えるので、自分が思っているような選手になれるようにしたい」。チームが勝つために、攻撃も、守備も。「サッカーが上手い」というストロングポイントを持つMFがプリンスリーグ関東昇格への戦い、また選手権でも國學院久我山に白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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