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トップ昇格3選手先発の広島ユースが後半に3ゴール。プレミア初参戦の岡山U-18を下し、開幕2連勝

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後半38分、サンフレッチェ広島ユースがMF桝谷歩希の2点目を喜ぶ

[4.14 プレミアリーグWEST第2節 岡山U-18 0-3 広島ユース 政田サッカー場(人工芝)]
 
 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 WESTは14日に第2節を行ない、プレミア初参戦のファジアーノ岡山U-18(岡山)とWESTの前年王者、サンフレッチェ広島ユース(広島)が対戦。FW井上愛簾(3年、トップチーム昇格)の先制点皮切りに得点を重ねた広島ユースが3-0で勝利し、開幕2連勝を達成した。

 前半は立ち上がりから広島ユースのペースで試合が進んだが、DF木吹翔太(3年、トップチーム昇格)が「良いところまで前進できていたのですが、クロスを上げきれない、シュートを打ち切れないシーンが前半は多々あった」と振り返る通り、決定機まで持ち込めない場面が続く。

 前半16分には左サイドを飛び出したMF桝谷歩希(3年)のクロスから、ファーのFW大上免嵐(3年)がヘディングシュートを放ったがボールは枠を捉えることができない。38分には自陣から持ち運んだ木吹のクサビから、PA内で繋いで大上がクロス。最後はMF中島洋太朗(3年、トップチーム昇格)が頭で合わせるも、ゴールマウスの上に逸れた。得点に至らなかった原因について野田知監督は「前進まではできているけど、突破のフェーズで一発を狙いすぎていた」と振り返る。

 対する岡山U-18はボールを持たれながらも、高い位置から積極的なプレッシングを披露。中盤で引っ掛けたボールをMF藤田成充(3年)がサイドに展開し、MFミキ・ヴィトル(3年)と磯本蒼羽(3年)の両翼からチャンスを伺う。俊足を生かしたFW石井秀幸(3年)の飛び出しも効果的で、26分には右CKを獲得。ゴール前に上げたボールのこぼれ球を粘り強く繋いでミキがゴールを狙ったが、広島ユースGK小川煌(2年)の好セーブに阻まれた。

 得点には至らなかったものの、スコアレスで終えた前半の出来は岡山にとって悪くなかったが、後半は勢いが続かない。「最初は粘り強く守れていたのですが、後半になって時間が経つにつれて疲れが見えてきた」と藤田は口にする。

 広島ユースはそうした隙を逃さない。「ハーフタイムにパスを出し入れして、ゴールに向かおうと話して、そこが改善できた」と話すのは木吹でシンプルにゴールを目指し過ぎた前半の攻撃を改善し、後半に入っていく。

 後半15分、MF橋本日向(3年)のパスから左サイドのMF長沼聖明(2年)がクロスを上げると、中央のFW井上が左足で合わせて先制に成功。38分には、桝谷がミドルシュートを叩き込み、試合の行方を決定づけた。試合終了間際にも井上のパスから、MF小林志紋(2年)が3点目をマーク。野田監督が「3-0で勝ちましたが、全てが良しという内容ではなかった。まだまだ改善する余地がある」と口にした通り、危ない場面がありながらも無失点に抑え、3-0で勝利した。

 岡山にとってプレミアリーグ初のホームゲームは中国ダービーとあって注目度は十分。父兄だけでなく、ジュニアユースの選手も応援に駆けつけての一戦となった。耐えるだけでなく、見せ場を作れており、0-3というスコアほど大きな差を感じなかっただけに、悔しさは募る。「今日はホームの雰囲気を作ってくださって応援が凄く力になったので、勝ち切ることができれば良かった」(藤田)。

 開幕戦も先制点を奪いながら、終盤の3失点で逆転負け。初のプレミアは連敗スタートとなったが、敗戦の中でも収穫を感じているのも事実。「少しずつチームでできることは増えてきていますし、試合ごとに成長しているので、次の試合がとても楽しみ。その中で自分がどれだけできるのかにもフォーカスして、もっと成長していきたい」と口にする。2試合で得た課題と収穫を活かし、次節の神村学園高(鹿児島)こそは初勝利を掴み取る。

(取材・文 森田将義)

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森田将義
Text by 森田将義

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