beacon

帝京長岡を「見てた側」のMF遠藤琉晟がエース封じで奮闘。「憧れてた舞台」に立ち、長岡JYFCの後輩たちの前でプレミア初勝利に貢献

このエントリーをはてなブックマークに追加

帝京長岡高MF遠藤琉晟(3年=長岡ジュニアユースFC出身)が役割を全うし、4-0の勝利に貢献

[4.14 プレミアリーグWEST第2節 帝京長岡高 4-0 神村学園高 長岡NT]

 後輩の小中学生たちの前で躍動した。帝京長岡高(新潟)は、MF遠藤琉晟(3年=長岡ジュニアユースFC出身)が役割を全う。プレミアリーグのホーム初戦でリーグ初勝利に貢献した。
  
 この日、遠藤に託されたタスクは、神村学園高(鹿児島)のエース封じ。MVP、得点王2冠のU17アジアカップやU-17ワールドカップで活躍してきたMF名和田我空(3年)を抑えることだった。一週間前の開幕戦(対鳥栖U-18、4-3)で名和田は3得点に絡む活躍。卓越したスキル、判断力でゴール、アシストを連発する名和田を抑えることは容易ではない。

 だが、遠藤は「名和田に入った時に、自分がすぐプレスバックに行って、シュートを打たせないようにっていうのを心がけてました。(名和田は)前回の鳥栖戦、結構シュート上手かったんで。そういう面で、やっぱ1人では守りきれない部分、みんなで密集して止めてたっていう感じです」。一人で全て止めようとするのではなく、仲間と連動して守ることを意識。それでも名和田は個の力で打開し、シュートにまで持ち込んでいた。だが、抜群の運動量を持つ遠藤の奮闘などに苦しんだことも確か。名和田も、神村学園も、無得点に終わった。

 この日、遠藤は中盤で運動量を増加。インターセプトで4点目の起点にもなった。「守備に徹して、中盤で潰しができたんで、今日は良かったと思います」と遠藤。中学時代はセンターバック(CB)で高校進学後はサイドバック(SB)、ウイングバック(WB)などを務めてきた“守備職人”のプレーについて、古沢徹監督も「遠藤がやっぱり相当利いていた」と讃えていた。

 遠藤は帝京長岡の育成組織、長岡ジュニアユースFC(長岡JYFC)出身。「やっぱり、(先輩たちだと選手権3位の)谷内田哲平さんの代が1番心に残っています。中1の時は試合会場に行って、選手権とか見てたりして、憧れの部分が強いです」。憧れの先輩たちが躍動する姿を目に焼き付けていた。

 この日は、地元・長岡市の長岡ニュータウン運動公園でプレミアリーグ初開催。「最初、緊張してたんですけど。やっぱり自分は(帝京長岡の試合を)『見てた側』なんで。こういう人がいっぱいいてっていうのは、やっぱり凄い。憧れてた舞台に立ててるんだなっていう実感は結構ありました」。神村学園戦を両親や友人、長岡JYFCの後輩たちが観戦。ナショナルトレセンU-14メンバーの弟・琉加(長岡JYFC)もボールボーイとして間近で見つめる中、勝利に大きく貢献した。

 例年、複数の長岡JYFC出身選手が帝京長岡の先発に名を連ねているが、この日は遠藤一人だけ。「自分は、やっぱりそういうところで(後輩たちが)憧れる存在になりたいなって思います」。地元の後輩たちのためにも先発出場を続け、帝京長岡を勝利へ導く意気込みだ。

 今後の戦いへ向けて、遠藤は「こういうプレミア(リーグ)で戦えるっていうのは、去年とかにはなかったこと。そういうところを大事にして、これからプレミアもそうですし、選手権も、インターハイも頑張っていけたらいい」。得意の守備に重きを置きながら、攻撃面もレベルアップさせること。そして、より攻守で活躍できる、憧れられるような選手になる。



(取材・文 吉田太郎)


●高円宮杯プレミアリーグ2024特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP