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ロンドン五輪、U-23日本代表メンバー発表会見全文

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 日本サッカー協会は2日、ロンドン五輪に出場するU-23日本代表の登録メンバー18人を発表した。オーバーエイジ枠ではDF吉田麻也(VVV)、DF徳永悠平(F東京)の2人のみを選出。GK林彰洋(清水)はバックアップメンバーに入った。

以下、会見全文

原博実技術委員長
「みなさん、こんにちは。技術委員長の原でございます。日頃から日本サッカー界への応援ありがとうございます。オリンピック予選を何とか勝ち抜けたのも、皆さんの応援のおかげだと思っております。特にJリーグ、海外のクラブも予選の中で拘束力がない中で、気持ち良く協力をしていただけたおかげで、5大会連続の五輪出場ができました。代表だけを強くすることはできないと思います。Jクラブ、あるいはこの年代でも数多くの選手が海外に行くようになっている今、各クラブといろいろな協力をとりながら、日本サッカーの強化に取り組んでいくことが一番大事なことだと考えております。これからメンバーが発表されますが、初戦のスペイン戦まで、7月11日のキリンチャレンジカップのニュージーランド戦、そして18日のベラルーシ戦、21日のメキシコ戦、3試合あります。この3試合で良い準備をして、初戦のスペイン戦をまず良い形で迎えたいと思います。スペインは世界で一番強い相手だと思っております。まずはスペインに良い戦いで入って、予選リーグ突破を目指して戦っていきたいと思いますので、今後とも応援をよろしくお願いします」

関塚隆U-23日本代表監督
「みなさん。こんにちは。U-23日本代表監督の関塚です。日頃から応援していただき、誠にありがとうございます。思えば今年の3月、アジアの最終予選を勝ち抜いて、オリンピックの出場権を獲得できました。これも本当に皆さんのご声援、協力があってのことだと思います。そして、その後からこの7月の本大会に向けて、日本のカレンダーの中で準備を進めてきました。強化キャンプ、所属クラブの試合、トゥーロン、代表戦、この4か月でそれぞれのプレーヤーのプレーを向上してもらい、この世界にチャレンジする本大会に向けて、準備してきました。われわれが今までやってきた攻守に連動すると言いますか、今のサッカーは攻撃だけ、守備だけではなく、一体となった連動したサッカーです。そしてピッチで選手が生き生きと躍動感のある一体感を持ったサッカーを目指していきます。そういうサッカーをこの本大会で戦う。そういう18名を今から発表したいと思います」

「このメンバーで、7月8日からキャンプを行い、7月11日水曜日、キリンチャレンジ2012ニュージーランド戦から強化の試合を3試合行います。しっかりと準備をして、7月26日第1戦のスペイン戦に向けて、われわれの力をしっかり出せるように、また皆さんの期待に応えられるように、ベストを尽くしたいと思います。今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします」

以下、質疑応答
―メンバー選考を終えた率直な思いは?
「35名の非常にポテンシャルのあるプレーヤーがそろっています。その中で18名という選択は、コーチングスタッフと話しに話した中で、最後は監督として僕自身が決めました。ここまで多くのプレーヤーで戦い抜いた大会ですから、この本大会で全員の総力といいますか、全員の力で、選んだメンバーでしっかり戦っていこうという強い気持ちでいます」

―基準、悩まれたポイントは?
「現在のコンディション、それからパフォーマンス。こういうところは非常に大事になってきます。同時に、18名というメンバーですので、本大会までいろいろなケースが想定されます。そういう中でチームとして機能するであろうというメンバー選考というところが大きいです」

―OAが2人いますが、まず吉田選手に求めるモノは?
「5月にトゥーロンを戦ってみて、DFラインに補強が必要だろうと。そこが強く感じた部分でもあります。吉田選手は前回の五輪も出場している。年齢的にも非常に近い。そういうところを含めて、後ろでしっかりとリーダーになってもらいたいと思います」

―徳永選手は、FC東京でCB、SBをやっていますが何を期待しますか?
「彼も2世代前の五輪に出ておりまして、OAを使った大会を経験しています。4月、5月とA代表合宿にも呼ばれている。所属クラブでもパフォーマンスの高い状態を保ってくれています。今現在、吉田選手も治療中ですので、そういう面でセンター、サイドでも、しっかりDFラインを締めてもらいたいなと思っております」

―個性的な攻撃陣のいる世代だが、組み合わせは?
「1.5列目から前にはポテンシャルの高い選手がそろっています。その中でしっかりとわれわれがやってきたものを引き出せる組み合わせを、これからの強化の3試合を含めて、バリエーションも含めてつくっていく。それぞれのパフォーマンス、生き生きとした良い部分を出しながら、チームとして機能するように持っていきたいと思います」

―ロンドンでの目標は?
「ここまで来たら本当にもう『やるしかない』という気持ちでいます。ここからOAを含めたキャンプが8日から始まります。われわれはスペイン戦の直前までしっかりとやるべきことをやって、チームとしての一体感を持って、本大会に向かう。ここのところをどうできるかが結果につながると思っていますので、ベストを尽くしたいと思います」

―具体的に目標は?
「一つでも高みを目指して戦っていきます」

―国内での最後のテストマッチとなるニュージーランド戦の位置づけは?
「キリンチャレンジカップという、キリングループの協力を頂いて、日本の皆様の前で壮行試合を組んでいただいてありがたいと思いますし、このチームになってからの初戦になりますから、ここでいくつかのしっかりとした骨組みをつくりたい。トゥーロンのときには、トルコの身体的なもの、それから距離感とかでできた時間もありますが、それをやりきれなかったところもあります。そういうところをしっかり本大会に向けた第一歩として、ニュージーランド戦を戦っていきたい。体も大きく、OAも使ってくると聞いていますので、その中でしっかりとわれわれの戦いができるように持っていきたいと思います」

―2020年、東京五輪の招致については?
「やはりオリンピックはスポーツの祭典であります。サッカーを含め、様々な競技のトップアスリートが集まる大会。日本に招致できたら、子供たちが実際に見ます。それができればその先のスポーツ文化、各競技の競技力向上にも非常に大事なことだと思います。また、そういう大会を東京で開催する。そのために、われわれ国民が一つになって、運営というか、準備にあたる。こういう一つのものをつくりあげていくのは、『絆』ということを言われますが、非常に大きな価値のあるものではないかなと思います。ぜひ、東京で2020年五輪が開催されてほしいと願っております」

―FWに予選の主力だった大迫選手ではなく、杉本選手が入りました。期待することは?
「前の選手の組み合わせは非常に考えました。やはり日本の良さである距離感でのところ、そして個人のサイドでの縦への突破。これが一番大事になってくると思います。その中で高さ、そしてゴール前での迫力というところが、非常に杉本選手に期待するところでもあります。非常に足も振れるし、そして連続した動きもできます。この辺も、期待しています」

―海外組はいつから合流するか?(原技術委員長へ)
「海外組の選手ですが、メンバーが先ほど分かったので、日本が11日に壮行試合を行うことを含め、クラブと交渉します。8日からトレーニングということを含めて、スケジュールを早急に出して、クラブの事情もあると思うので、クラブと交渉したいと思います。23歳以下の選手には拘束力があるのですが、実質(拘束力が利くの)は12日からです。ここ(壮行試合)は本当なら拘束力はないところなのですが、海外は今、新シーズンに向けた練習が始まったばかりとかの時期ですので、我々の事情を説明して、しっかり交渉したいと思っています」

―韓国はフル代表のレギュラーも招集した。日本はこの世代にどういう経験を積んでほしい?(原技術委員長へ)
「前回の北京は予選で負けてしまいましたが、今の日本代表の多くの選手が北京世代の人たちです。もちろん、オリンピックで結果を出せれば一番いいのですが、若いうちに世界大会に出て、世界を感じて、多くの選手が世界に出て行きました。韓国には韓国の考え方があると思います。パク・チュヨンに関してはいろいろな問題があるというふうに聞いています。韓国は韓国の事情がある。我々は、特に前の方のタレントに関しては、今後をにらんで、今後の日本の中心になるであろう選手が多いと思いますので、そういう選手を生かす。そして、先ほど関塚監督も言っていたように、後ろの方がこの年代は弱いところがありますので、そこに吉田麻也、徳永悠平の2人を入れて、前の方はこの年代の選手たちが伸び伸びやってくれれば、良さが出るのではないかなと思っています」

―予選と本大会ではやろうとするサッカーのイメージは変わる?
「基本的にはイメージを変えようということはありません。トゥーロンの3試合は自分たちを見直す機会になりました。ヨーロッパの国と戦う中での感覚、距離感、そして、われわれの立ち位置が分かった部分もあります。その中でも必ず自分たちがやれたこと、時間がありますから。それを多くつくることに基本は変わりありません。ただ、やはりスペイン、今朝もヨーロッパチャンピオンになりましたが、そこに対して自分たちがイニシアチブを取れるのか。そういう時間帯が少なくても、じゃあどういう戦い方をするのか。こういうところはチームとしての方向性を持って、1戦1戦、戦っていく。そういうスタンスは僕自身持っていますし、選手たちと臨んでいきたいと思っています。目指すものというのは守備も攻撃もしっかりコンパクトにやっていく。そして、しっかりと数的優位、あるいは1対1になった時にはがしていく。実際にトゥーロンに行っても、我々がヨーロッパとやるからそこを下がってという戦いをしたわけではありませんし、そういう意味でも見えてきたものを本大会で生かすような形を準備のところでつくっていきたいと思っています」

―フル代表との関係で18人に影響はあったのか?(原技術委員長へ)
「35人を選ぶ前の段階で、特にOAに関しては代表チームと調整をしました。それは前回も話したように、今はW杯最終予選の真っただ中です。しかも日本は、6月に3試合をやらないといけなかった。そういう状況の中で五輪がある。前回の北京のように五輪が終わってから最終予選があるわけではないので、そこに関しては調整しました。あとは香川ですね。香川がああいう状況でケガがあって、A代表でレギュラーとして頑張っていて、移籍もある。そこに関しては間に入って、最終的には協会がOAと香川についてはどうするか入りましたが、今回に関しては35人の中から現場の関塚監督以下スタッフが選びました」

―3月にメダル獲得を目標に掲げていたが、変わりはない?
「はい。目指すところはしっかりと自分たちで目指していきたいと思っています。ここまできたら、みんなでやってやろうと。しっかりと入っていきたいと思います」

―宮市亮選手は予備登録の35に入りましたが、今回外れたのは?
「35名は先ほども言ったようにポテンシャルのある選手がそろっています。そういう中で、これまでのパフォーマンス、コンディション。現在の状況。そして18人という枠の中で、コーチングスタッフと本当に話に話をした中で、いろいろな想定をした中でチームが機能する18名を選びました。そういう中で僕自身が最後に決断した、というところです」

―大枠の35名に制限があったことについて、どう考えるか?
「18名はしっかりと僕が決断しましたので。これで本大会に対して戦っていくということです」


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