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「僕自身の最終章」、なでしこ佐々木監督が金メダルで有終の美誓う

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 ロンドン五輪で史上初の決勝進出を果たした日本女子代表(なでしこジャパン)が決勝を翌日に控えた8日、ロンドン市内のオリンピックパークで公式記者会見を行った。佐々木則夫監督、MF宮間あや、FW大儀見優季(旧姓・永里)、GK福元美穂が出席。佐々木監督は「選手の勝とうという思いがピッチで表現できれば、いい結果になると信じている」と、金メダルへの決意を語った。

 昨年の女子W杯に続く史上初の“連覇”を懸けた決勝の相手は、女子W杯決勝の再現となるアメリカ。当時は延長戦、さらにはPK戦へともつれ込んだ死闘を制し、なでしこが世界一に輝いた。当然、雪辱に燃えるアメリカに対し、それ以上の気持ちで臨めるか。指揮官は「石にかじりついてでも、またチャンピオンを目指す気持ちで戦ってくれると思う」と力説した。

 海外メディアから「明日の結果が金メダルではなく、銀メダルだったら残念か?」と聞かれると、「日本語で書くと、金より良いと書いて『銀』。それがなでしこの次につながることもあるのかなと思う」と冗談交じりに答えたが、「金メダルを目指してやってきたし、限りなく金メダルを目指す。それに尽きる」と、頂点だけを見据えている。

 06年1月からなでしこジャパンのコーチを務め、07年12月、大橋浩司前監督の退任を受け、監督に就任した。「コーチとして2シーズン、監督というきっかけをもらって5シーズン目。選手たちの成長度の高い時期に監督をやれたことは幸せだと思っている」。あくまで選手への感謝の気持ちを表現する指揮官は「明日のピッチで、僕自身の最終章としての成果がどれだけ出せるか」と指摘。大会後の退任も示唆する発言で、有終の美を誓った。

 選手たちもその思いに応えないはずがない。福元が「今このように試合に出れているのは佐々木監督の指導があったから」と言えば、大儀見も「自分自身を成長、進化させてくれる存在」と感謝する。宮間は「いろんなことがあったし、いろんなところを一緒にくぐり抜けてきた。今、振り返って思うのは、監督に付いてきてよかったと、心から思えることです」と言った。選手と監督の間の信頼関係、強い絆。なでしこジャパンが一つとなり、金メダルを懸けた“ラストマッチ”に挑む。

(取材・文 西山紘平)

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