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[フットサルW杯2012]出場停止の解けるFP北原「ターニングポイントは次」

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 ブラジル戦から一夜明け、フットサル日本代表はリカバリートレーニングに取り組んだ。その全体練習が終わってからも、黙々とシュートを蹴り込む男の姿があった。初戦となったブラジル戦(1-4)では、出場停止となっていたFP北原亘(名古屋オーシャンズ)である。5月から6月にかけて行われたAFCフットサル選手権2012の決勝で、北原は退場処分を受けていた。そのため、今回のW杯では初戦が出場停止となったのだ。

 チームメイトたちがピッチで戦う姿をスタンドで見た北原は、「出られなかったことの悔しさと申し訳ない気持ちを感じました。力になれなかったことで、もっともっとチームの力になりたいと感じたのが一番です」と言い、出場可能となるグループステージ第2戦のポルトガル戦に向けての意気込みを語った。

「最初は戦う姿勢を見せて、試合の序盤からポルトガル戦ですべてを出し切る気持ちで、ディフェンスから、オフェンスもそうですけど、出し切る。そのうえで、ハーフから行くのか、前から行くのか、それとも下がるのかは監督から指示が出ると思うので。ただ、ボールにプレスを掛けるというのは、どこから守ってもできるので、そこはしっかりアプローチを強めていきたいと思います」

 ブラジル戦では、暁星小から高校までの12年間、同級生だったFP稲葉洸太郎(バルドラール浦安)も得点を挙げた。「ずっと一緒にやってきたメンバーが活躍する姿を見て、刺激を受けましたし、自分もやってやるっていう気持ちになりました」と続ける。また、ブラジル戦で挙げた唯一のゴールは、日本代表にとっても、大きな1点だったと北原は言葉を続けた。

「チームとしても0-4から1点を返す、返さないでは大きく違いますし、大会初戦で1点も取れずに終わると、またチームの雰囲気も変わるので、大事な1点だったと思うんです。昨日の結果があったから次の2戦で良い結果が残せたという試合をしないといけないと思います」

 ポルトガルのキーマンは、2人いる。初戦のリビア戦でハットトリックを達成し、得点ランクの首位を走るFPカルディナル。そして、名古屋オーシャンズでのチームメイトであるFPリカルジーニョだ。「あのホットラインは一番の脅威」と、北原も警戒する。

「(カルディナルは)今まで対戦したピヴォの中でも、印象深いピヴォの一人であることは確か。特徴としては手足が長いので、一度ボールを収めさせてしまうと、うまく手を使われて、ターンの時も足が長いので届かない印象が強く残っています。リカルジーニョは日本でもすごくコンディションが良かった。2人の関係性も、リカルジーニョは左利きで、カルディナルは右利きだから、パスを入れる方も入れやすいし、受ける方も受けやすい。名古屋の(森岡)薫とリカルジーニョのような感じ。受けさせる前に、出し手の方のマークと、フィクソで良い関係をつくって、うまく入れさせないことが大事かなと思います」

 チームメイトたちから1試合遅れて、北原自身にとって2度目のW杯がいよいよ幕を開ける。勝ち点ゼロ、得失点差マイナス3からのスタートとなるが「マイナス3は厳しいは厳しいですけど、取り返すチャンスはまだまだありますし、まずはポルトガルから勝ち点を取れば、リーグ突破の可能性も広がります。ターニングポイントは次の試合になると思う」と、語った。大一番を前に、頼れるフィクソが戻ってきた。

(取材・文 河合拓)

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