[5.22 練習試合 U-18日本代表候補1-1大阪学院大 J-GREEN堺]

　注目の高校選手権得点王、U-18日本代表候補FW小屋松知哉(京都橘高)が“代表初ゴール”を決めた。FW越智大和(広島ユース)と2トップを組んで先発した小屋松は1本目15分、DFとの駆け引きから背後へ抜け出すと、飛び出してきたGKもかわして左足シュートをゴールへと流し込んだ。

　高校選手権得点王は今回が代表候補合宿初招集。2試合目で奪った初ゴールについて「代表は足下が多くて、しっかり崩しながらの攻撃なので、どっかで誰かが裏へ抜けないと幅ができない。その辺も感じていたので、見ながら、相手と駆け引きしながら、いいタイミングで裏へ抜け出して、それが点につながったかなと思います」。技術の高い選手が揃うチームの攻撃に幅ができるようにと考えたFWは自身のスピードを上手く活用して、先制点をもたらした。

　前日の全日本大学選抜戦では決定的なラストパスをも配球。今年、高校選手権準優勝、そして日本高校選抜の欧州遠征を経験してきた小屋松は最大の武器であるスピードとドリブルに加えて、パスなどその他の部分でも貪欲に取り組んできた成果を印象づけた。そしてこの日は、DF、GKとの駆け引きから奪ったゴールに加え、左サイドからスピードで一気に切れ込んで決定機を演出する場面も。ルーズボールへの素早い寄せでも存在感を放っていたFWは、相手にそのスピードを警戒されていてもしっかりと結果に結びつけた。

　本人は1本目終了間際にMF望月嶺臣(名古屋)の折り返しから迎えた決定機を決め切ることができなかったことを反省。ただ、「技術面もそうですし、状況に合わせた動き出しとタイミングというのはこの代表で学んだかなと思います」と話した小屋松は、4日間の合宿を通して代表チームの戦い方や、自分自身をより怖い存在にするためのヒントなど、多くの収穫を得たようだ。

　この年代の目標は4大会ぶりとなるU-20W杯出場。「この年代でワールドカップを経験できるのはホンマにいい経験になりますし、それにまず選ばれるということ。そのためにはこの代表や自チームで結果を残すことが一番だと思う。結果を残すことがチームのいい結果にもつながる」と結果を残すことを誓う。世界やプロの世界で通用する選手になるためにはまだまだ成長が必要。「選ばれても選ばれなくても、経験できたことを自分がチームに還元して、これからの自分につなげていきたいと思います」。

　この日、いい形で代表候補合宿を終えた小屋松。Jクラブのスカウト陣が熱い視線を注ぐなど注目度は非常に高いが、全国高校総体出場を懸けて京都府予選を戦っているチームでもしっかりと結果を残す。

[写真]1本目15分、U-18代表候補FW小屋松がGKをかわして先制ゴール

(取材・文　吉田太郎)