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[AFCフットサル選手権2014]後がない一戦で抜擢されたGK藤原「みんなのハードワークが勝因」

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[5.5 AFCフットサル選手権2014 GL第3戦 日本代表4-0キルギス代表 ホーチミン]

 AFCフットサル選手権は5日にグループステージ最終戦を行った。フットサル日本代表は、キルギス代表に4-0で完封勝利し、通算成績を2勝1敗としてグループステージを2位で突破した。

 ミゲル・ロドリゴ監督は大一番を前に、過去13年に渡って正GKを務めて来たGK川原永光ではなく、GK藤原潤を先発に抜擢した。藤原は自身が先発することを、試合当日の朝、「朝御飯が終わったときに、コーチの小森さんに『今日行くから』って伝えられて」知らされたという。

 藤原自身は、自身が先発となった理由を「聞かなかった」と言うが、ミゲル監督は「生死を賭けた神経戦の様子を呈していたゲームには、藤原だろうということで起用しました。これまでも彼は、こういう状況でチームを安定させてくれていたので、そういう選択をしました」と、過去の遠征での経験から、強靭なメンタルを持つ浦安の守護神を抜擢したと説明する。

 守備の機会は、それほど多くなかったが、藤原が持ち味の足元の技術を見せる場面もあった。前半17分、FP森岡薫からのバックパスを判断良く、正確な技術でダイレクトでFP稲葉洸太郎に預ける。稲葉からゴール前のFP小曽戸允哉にボールが渡り、小曽戸が難しいシュートを決めて、日本は勝利を大きく引き寄せる3点目を手にした。スルーパスを出した稲葉は「藤原さんのパスのおかげです!!」と感謝し、「どフリーになっていたからね、あれは。自分がどうこうっていうより、フリーだったから、自分がやることをやっただけですね」と、所属クラブでもチームメイトのGKを絶賛した。

 キルギスを完封した藤原は「監督も『このチームはDFから入らないといけないから』って言っていましたが、みんなハードワークして、試合に入れたことが本当に今日の試合に勝てた要因に尽きると思います」と勝因を挙げた。また、今大会初出場というプレッシャーを先発落ちしたGK川原が軽減してくれたことも明かした。「不安なく(試合に)入れたと思うんですけど、途中で川さん(川原永光)が『顔がかてーぞ』って頭をコツンと叩いてくれたので、もしかしたらちょっと硬かったのかもしれません(笑)」と、先輩GKの気遣いでより、よりリラックスできたと振り返る。

決勝トーナメントでは、3人のGKのうち、誰がピッチに立つかわからない。同じポジションを争うライバル同士だが、日本のGKは誰がピッチに立っても互いに支え合って、勝利を目指している。

(取材・文 河合拓)

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