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刺した縦パス、決めた左足、矢田龍之介(清水ユース)が持ち味発揮し、イラン撃破に貢献

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前半10分、U-17日本代表MF矢田龍之介(清水ユース)が先制ゴール

[6.29 AFC U17アジアカップ準決勝 U-17日本 3-0 U-17イラン]

「絶対、点も取りたいんですよ。ミドルシュートも狙いたいし、クロスからのシュートも狙っていきたい」

 AFC U17アジアカップを戦いながら、MF矢田龍之介(清水ユース)はそんな言葉を残していた。自らの持ち味を「左右へ揺さぶっていくゲームメイク」と言いつつも、「それだけじゃダメだと思っている」と、一段のスケールアップを求めてゴールに直結するようなプレーで貢献することも目指してきた。

 異国での日々で「お腹を壊してしまって悔しい思いもした」と波乱もあった大会だったが、この準決勝で先発出場を果たすと、立ち上がりから意欲的にプレー。開始10分にはMF川村楽人(東京Vユース)のクロスが流れてきたところを狙い撃ちにしてゴールネットも揺らしてみせた。

「入ったときは、『ああ、やっと取れた』という感じでした」

 そう笑って振り返るゴールは、決してイージーなシュートではなかった。左サイドを川村が破って縦へと進み、それに合わせる形で相手のDFラインが後退。その手前にできるスペースで「おいしいボール」が来るのを待つ判断は的確で、流れてきたボールを左足で正確にミートしたシュートも絶品だった。

「シュートはイメージ通りでした。落ち着いて左足でコースを狙って蹴れた」

 そう胸を張る一発は、試合の流れを大きく動かすものだった。そして、矢田はもう1本、決定的な仕事をしてみせる。

 前半25分のゴールに繋がった縦パスだ。「左右へ揺さぶりながら縦に刺せるところを探すイメージを常に持っていた」と言うように、外に振ると見せかけて「一瞬だけ見えた」という佐藤龍之介(FC東京U-18)の足元へ鋭い縦パスを通す。佐藤のシュートはGKに防がれたものの、こぼれ球を拾っての二次攻撃が望月耕平(横浜FMユース)の2点目に繋がった。

 残すはあと一戦。韓国との決勝のみとなった。

「決勝で戦うための準備を今からしっかりしていきたい。もしもピッチに立てたら、まずは楽しんで、自分の課題にもしっかりチャレンジしながら戦いたい。最後は笑って終われるように努力して、みんなと全力で挑みたいと思います」

 連覇の懸かるAFC U17アジアカップ決勝は、日本時間7月2日21時からキックオフとなる。

(取材・文 川端暁彦)
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