横浜FCは14日に横浜市内で新体制発表記者会見を行った。会見には山口素弘監督をはじめ、新加入の13選手が臨んでいる。この日は雪が降る悪天候となったが、2年目の青年監督のトークは冴え渡った。「今日は大悪天候の中、お集まりいただきありがとうございます」と、切り出した山口監督。「まさしく今シーズンのチームの行く末を暗示するかのような天気です。でも、これはネガティブな意味ではありません。昨季もJ2は非常に厳しい戦いでした。今季も間違いなく厳しい戦いになると思います。悪天候の中でも、僕ら横浜FCは一人ひとり、チームとして寄り添い、助け合いながら、一歩一歩、確実に積み上げながら、最後には笑って終わりたいなと思います」。

　会見には昨シーズン途中から期限付き移籍で加入し、今季から完全移籍したMF寺田紳一、DF中島崇典も参加していた。山口監督は「11人の新しい顔と、2人の見飽きた顔がそろっていますが、こういう新しい選手、新しい力を既存のチームにうまく浸透させて、良いシーズンで終われたらなと思っています。最後の最後には全員で笑って頂点に立っていたい」と、冗談を交えながらも、J2を制してのJ1昇格を目標に据えた。

　昨シーズンは4位に終わり、プレーオフで千葉に敗れてJ1昇格が実現できなかった。「あと一歩というか、数歩足りなかったと思う」と振り返る山口監督は、その数歩を埋めるために何をやりたいかと聞かれると「やりたいことは、いろいろあるのですが…。いろんなことをやりたいと思います。ここにいる選手、また今日は集合していない選手としっかりとトレーニングを積んで、開幕を迎えたいなと思います。やりたいことは、たくさんあります」と、含みを持たせた。

　さらに2013シーズンの見どころについても、指揮官は「今シーズンからスーツが提供されるようなので、着こなしを見ていただければと思います」と、軽快なトークで会場の笑いを誘った。会見後には川崎Fから加入したFW黒津勝も「あんなに(会見で)笑いが起きるとは思っていなかった。溶け込みやすいなと感じた」と、安堵の表情を浮かべていた。新加入選手たちのハートもがっちりつかみ、山口監督は指揮官としての2年目のシーズンに挑む。