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[MOM902]富士大MF白和勇心(4年)_決勝で初めての先制劇、前半緊急出場MFが値千金日本一決勝弾

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白和のゴールが決勝点になった

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.10 総理大臣杯決勝 富士大2-1関西学院大 ユアテックスタジアム仙台]

 ここまで逆転劇で勝ち上がってきていた富士大(東北2)が初めて先制点を決めた。後半11分、MF寺崎朋範(3年=佐賀東高)が蹴った右CKにFW松田空良(3年=青森山田高)が競ると、こぼれ球に反応したMF白和勇心(4年=向上高)が左足で蹴り込んで、ゴールネットを揺らした。

「CK、セットプレーで点を取ろうと話していて、GKの近くにいれば絶対に事故が起こると思っていた。あとはこぼれてきたので決めるだけでした。テラのセットプレーは質がいいので、あとは決まったところに入るだけ。気持ちで押し込むだけだったと思います」

 出番は突然やってきた。白和は今大会ここまですべてで途中出場。主にゲームを終わらせる役目を担ってきたが、この日は前半26分にMF芝西大希(4年=北海高)の負傷交代によってボランチのポジションに入っていた。

 ただ「自分自身が飲まれないようにしよう」と自らに言い聞かせることで、冷静に試合に入ることが出来ていたという。対峙したのはMF長尾優斗(4年=G大阪ユース/水戸内定)とMF美藤倫(4年=東海大大阪仰星高/G大阪内定)のJ内定コンビだったが、「相手がうまいことはわかっていたけど、相手の弱いところを常に考えながらやっていました」と話したように堂々と戦い抜いた。

「自分たちも正直、相手が格上というのはわかっていた。でもどこかに隙があるという話をしていて、そこをどれだけ突けるかということでやってきた。自信が結果に繋がったかなと思います」

 日本一を達成した富士大だが、多くの4年生が大学でサッカー人生に一区切りつけるつもりでいる。白和もその一人で、卒業後は地元の神奈川県に戻って、インフラ系企業に就職することが決まっているという。

「いろんな人に支えられて、両親やチームメイト、周りでサポートしてくれた方々にも、とても感謝しています。正直最初は関東の大学に行きたかったけど、なかなかいい返事をもらえなくて、高校の先輩が活躍していた富士大に入学した。ここで何かを残したいと思ってやってきたので、東北勢としての初優勝はうれしいです」

 冬の全国大会で引退できる権利をいち早く獲得した。東北のインカレ出場枠が富士大を含めた2枠となったわけだが、東北の大学リーグは仙台大の一強状態が続いているだけに、その勝負も挑んでいきたいところだ。白和も「しっかりとリーグも勝って、インカレに繋げたい」と話すと、「東北勢で切磋琢磨して、上を目指していきたい」と気を引き締めた。

(取材・文 児玉幸洋)
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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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