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後半開始からの出場で決勝点。神戸弘陵の10番MF北藤朔が「点を取る」「チームを楽に」の役割果たす

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後半11分、勝ち越し点を決めた神戸弘陵高MF北藤朔(3年=セレッソ大阪和歌山U-15出身)がガッツポーズ

[6.9 インターハイ兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 4-1 神戸高 アスパ五色メイン]

 後半、雰囲気を一変させた。神戸弘陵高は、1-1の後半開始から攻守の要であるCB岡未來主将(3年)と10番MF北藤朔(3年)を同時投入。守備判断と予測力、左足キックに秀でた岡と「1対1だったら兵庫とか全国でも負ける相手はいないと思うので、1対1のドリブルとか見て欲しいです」という北藤が加わった後半に3得点を奪い、4-1で勝利した。

 北藤は自信を持ってボールを受け、マークするDFを突破。PAをドリブルで攻略してラストパスへ持ち込んだほか、速いテンポでパスを出し、リターンを受けて一気に打開、シュートへ持ち込もうとする。

 そして11分、右中間から縦のスルーパス。右SB豆成僚(3年)のクロスは相手に阻まれたが、「クロスのこぼれ球を狙っていて、ちょうど思っていたへんに来たのであそこでもらったら絶対に打とうと決めていた」。右足ダイレクトで撃ち抜き、勝ち越し点を決めた。

 浮き球をダイレクトで決め切ったファインゴール。「練習とかあんなん全然入らないんですけれども。毎回上とか行っちゃうんですけれども、きょうは集中できていたのかもしれませんけれども、抑えて打てて良かったです。1-1の後半から出て、絶対に自分が決めてチームを楽にさせようと思っていたので、その点で決めれたので良かったかなと思います」と微笑んだ。

 北藤は右サイドでボールを大きく運んで3点目の起点となるなど、やや停滞感のあった前半の雰囲気を変え、特に存在感のある動きで勝利に貢献。谷純一監督は「押し込んだゲームでしたけれど、入ってすぐに点を取るのは去年からゲーム出ていて得点を期待されている選手でいうと仕事をきっちりしてくれたと思います」と評価していた。

 本人も役割を果たせたことを喜ぶ。「1対1とかボールを失うことはあまりないと思います。自分のところでどこまでタメを作って、スルーパスとかドリブルで1枚剥がしてクロスとかするのが自分の仕事だと思っているので、それができて良かったです」。次は決勝。「準決勝で点を決めたので、決勝も点を決めて、まだ弘陵って3冠ないので新人戦、総体2冠取って選手権に繋げたい」という思いを持つアタッカーは、決勝でも活躍し、勝利へ導く意気込みだ。

 守備やボールを受けるポジショニングなど課題もあるが、マンチェスター・シティのFWリヤド・マフレズのボールの持ち方を参考にしたというドリブルやパス、シュートでチームを牽引。「みんなを落ち着かせたりとか、自分のプレーでやる気出たらなと思ってやっています」と責任感を持ってプレーするエースが、全国切符を掴み、自身の将来の可能性も広げる。

(取材・文 吉田太郎)
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