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[Rookie League]日大藤沢が韮崎に逆転勝ちしてB Group無敗V!佐藤監督は競争の中から「最後顔を出す」こと求める

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[9.5 Rookie League B Group第7節 日大藤沢高 3-2 韮崎高 時之栖裾野G]

 関東・静岡の強豪18校の1年生がリーグ戦を通して成長を目指す「2015 Rookie League」のB Groupは5日に最終節を行った。首位の日大藤沢高(神奈川)は韮崎高(山梨)に3-2で逆転勝ち。勝ち点で並んでいた西武台高が敗れたため、参入1年目でB Group制覇を果たした。

 ここまで5勝1分けで、すでに来季のA Group昇格を決めていた日大藤沢が逆転勝利で最終戦を飾った。日大藤沢は前半3分、FW柏木純のパスからFW菊地大智が決めて先制。だが、MF藤原史也が「自分たちのチームは突出した個がいない中で、みんなで走ったりコンパクトにすることによって点を取れたことが成長したところだと思います」と説明する韮崎が逆転に成功する。

 大きな展開を交えてサイドを崩して攻める韮崎は10分、MF金丸智哉の突破からFW吉田優希が同点ゴール。さらに金丸の折り返しからFW柏木大地がシュートを放つなどで勝ち越しを狙う韮崎は、29分にも攻撃参加した右SB村松憲弥が右足シュートを決めて2-1で前半を折り返した。
 
 それでもMF小澤拓人が「今大会ではチームの雰囲気という部分で、アップからチーム全員で声を出して、試合の中でも厳しい時間帯でチームみんなで声を出して最後まで走り切ることができるまで成長できたと思います」と語る日大藤沢は試合をひっくり返す。後半5分に小澤のゴールで追いつくと、43分にも「後半、自分の得点で勝ちたいと思っていたので我慢して、我慢して、自分はゴールに流し込んだだけ」という小澤が再び決めて3-2で逆転勝ちをおさめた。

 優勝校相手に接戦を演じたものの、7位でリーグ戦を終えた韮崎の藤原は「最近、韮高が選手権に出場できていないので、ここからまた積み上げていって選手権に出れるように頑張っていきたいです」と経験を積んだ「Rookie League」から一つひとつを積み上げていくことを誓った。一方、日大藤沢は下位リーグながらも参入1年目で無敗優勝。柏木は「毎回1試合1試合モチベーションを最大限まで高めて一つひとつの試合にこだわれたというところが良かったと思います。無敗でチームの士気もどんどん上がっていって、勝ち続けることが難しい中で最後まで勝ちにこだわれたことは良かったと思っています」と胸を張り、そして今後へ向けては「少しのことでも努力を惜しまないで、選手権とかどんどんメンバーに食い込める選手になっていきたいです」と意気込んだ。

 その1年生たちのプレーをチェックするために日大藤沢は佐藤輝勝監督が会場を視察。翌6日、1-1で引き分けた流通経済大柏高との交流戦後に「1試合1試合テーマを持っていって、優勝できたことが大きい。流経と五分にできたことも成長」と評価した。選手たちにもちろん期待はしているが、大事なことは「現状、どうなのか」ということ。昨年、当時1年生のDF福屋凌平が先輩たちを上回るアピールをして選手権神奈川県予選の大一番、桐光学園高戦で公式戦デビューして勝利に貢献したように、レギュラー、選抜経験者など名前・学年に関係なく、現状良ければ競争を勝ち抜くことができる環境がある。

 その中で佐藤監督は世界陸上を例に挙げて選手たちに競争から一歩でも前へ抜け出すことを求める。1位や2位の選手の名前を覚えていても、3位や4位、5位の選手の名前を覚えている人はほんの一握り。チームの競争でも「1位や2位、最後顔を出すヤツが出るんだ」と1番の存在になることを説いた。

 FW三田野慧は「『ただやっていても意味がなくて、みんなただやるからその上を行け』と言われたことが、自分に必要なことかなと思いました」と語り、「自分は日大藤沢に全国優勝しに来たので、それを実現するためにこの冬から選手権を意識して、この快進撃を止めずに、どの学年でも全国優勝していけるように努力を怠らないようにしていきたいと思っています」と力を込めた。強豪との7試合で無敗優勝した経験は今後も大事に持ちながら、それにあぐらをかくことなく、自分をどうしたいのか強い意志を持って、誰より取り組んだ選手が次のチャンスを獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
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