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前回王者のG大阪ユースが2-0で白星発進。「守備でも攻撃的に挑むスタイル」でクラセン連覇に挑戦

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MF大倉慎平(3年、14番)の先制点をガンバ大阪ユースのチームメイトが祝福

[7.22 クラブユース選手権(U-18)GL第1節 G大阪ユース 2-0 甲府U-18 J-GREEN堺S1]

 初戦の難しさを感じる試合展開ながらも、前年王者が手堅く勝利を掴んだ。第48回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会が22日に開幕。J-GREEN堺 S1で行なわれたグループHのガンバ大阪ユースヴァンフォーレ甲府U-18の一戦は、前後半に1点ずつ奪ったG大阪が2-0で勝利した。

 今年のG大阪は昨年の優勝を経験している選手が多数在籍。連覇を目標に大会に挑んだが、そう簡単には行かない。「簡単な試合がないということは全員が分かっていたのですが、序盤は相手の勢いを受けてしまった。ボールは持てていたと思うのですが、シュートが少なかったので難しかった」。そう振り返るのはDF古河幹太(3年)で少ないタッチでパスを繋いで前進するもシュートまで持ち込めず、失ったボールを自陣まで持ち込まれていた。

 最初の決定機は甲府。前半8分にはDF米山透矢(1年)からのボールを受けたMF濱野哉太(3年)がカットインからゴールを狙ったが、DFがブロック。15分には自陣からのボール奪取からシンプルにG大阪DFの背後を狙い、FW太田創大(2年)が反応したが、G大阪GK荒木瑠偉(2年)がタイミングよく前に出て、シュートを打たせない。

 満足の行かない序盤を過ごしたG大阪は選手同士で話し合い、攻撃が終わった際の切り替えの遅さを修正。27分には中盤でのテンポの速いパス回しから、MF森田将光(3年)がゴール前にスルーパスを入れると、MF大倉慎平(3年)がドリブルでシュートまで持ち込んだ。

 直後のチャンスを生かしたのも大倉だった。昨年11月と今年3月に左鎖骨を負傷して手術を受けたため、先週の練習試合からようやく実戦復帰。「5か月ぶりの試合でコンディションは100%ではなかった」と話す大倉は、「トップ下なので狭いスペースで受けてドリブルしがちなのですが、まずは簡単にプレーしようと意識していた」と続ける。シンプルな働きで攻撃の流れを作りつつ、得点チャンスを伺うと、29分には相手のビルドアップミスが大倉の足元へ。すぐさま高い位置に出ていたGKの上を射抜く形でループシュートを決めた。

 苦しみながら先制点を手にしたG大阪だったが、以降は続かない。後半は攻勢を強めた甲府に押し込まれる時間帯が続く。9分には、濱野との関係性を生かしてゴール前を抜け出したFW大倉彪真(3年)にクロスバー直撃のシュートを打たれた。14分にも、DF望月隼汰(3年)にワンツーからゴール前へ抜け出されたが、守備陣が集中力を保ちながら粘り強く対処し続ける。
 
 無失点の原動力になった古河はこう話す。「ハーフタイムには絶対相手は勢いを持ってくると話していた。受ける展開にはなったのですが、集中力を切らさず守れていたので、あまり失点する感じがしなかった。失点したら難しい試合になる。DFラインとGKで今日の試合は絶対に無失点で終わらせて、次の試合に繋げようと話していました」。

 我慢の時間を耐えながら、機を見ては攻撃に出て甲府を押し返すと、27分には左でのパス回しからMF長田叶羽(3年)がゴール左隅を狙うシュート。35+2分には荒木、DF横井佑弥(1年)、DF松本健作(3年)と繋いだボールが相手ゴール前に入る。反応したのは1分前に投入されたFW久永虎次郎(2年)。落ち着いてゴール左隅を狙ったシュートが決まり、2-0でG大阪が勝利した。

「今年はクラブユースで優勝した昨年のメンバーが多く残っている。連覇したいという想いを持っているメンバーがほとんどであることが強み」。古河の言葉通り、昨年を知るメンバーが多いことで日本一となった昨年からの積み上げは着実にできている。今年は“ガンバ大阪”らしい上手さ、遊び心を感じる崩しに今年から取り組むハイラインでの守備も機能。「守備でも攻撃的に挑むスタイル」(古河)を出し切れば、2年連続での歓喜も見えてくる。そのためにも、まずは残り2試合も勝点を積み上げ、グループステージ突破を目指す。

(取材・文 森田将義)

●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集
森田将義
Text by 森田将義

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