[MOM5188]鹿島ユースMF福岡勇和(2年)_「お母さんとお父さんが生んでくれたおかげです」 みんなを笑顔にする「超ムードメーカー」の今季公式戦初ゴールは日本一を手繰り寄せる先制弾!
先制点を挙げた
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 クラブユース選手権(U-18)決勝 鹿島ユース 3-0 仙台ユース ニッパツ三ツ沢球技場]
無邪気にはしゃぐ。ジュニアやジュニアユースのアカデミー生が勢揃いしたゴール裏の応援席の前で、とにかく、はしゃぐ。でも、今日ばかりはそれでいいだろう。だって、日本で一番強いチームを決める試合で、最高のゴールを決めて、最高のタイトル獲得に、誰よりも貢献してみせたのだから。
「生まれてきて、初めての日本一だったので、非常に嬉しいですね。試合が終わってからも、あまり実感は湧いていなかったんですけど、最後にみんなで“オブラディ”をした時には、『ああ、優勝したんだな』と思いました」。
鹿島アントラーズユース(関東4)を明るく照らす、チームきっての超ムードメーカー。MF福岡勇和(2年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)はファイナルで沈めた自身の今シーズン公式戦初ゴールで、日本一の栄冠を鮮やかに手繰り寄せた。
「クラブユースを通して、グループリーグの1試合目は結構自分でも良い感覚を掴めたんですけど、2,3試合目と準々決勝のヴィッセルの試合は納得の行くプレーができていなかったので、関東に戻ってきて、あれだけの応援もある中で、『やってやろう』という気持ちもより強くなりました」。
福岡は今大会の決勝までにたどった道のりを、そう振り返る。全国制覇を巡って争われるクラブユース選手権。大阪会場で戦うことになった鹿島ユースは、グループリーグを3戦全勝で勝ち抜けたものの、福岡は2試合目も3試合目も前半だけで交代を命じられ、準々決勝も思うようなプレーを繰り出せず、後半途中でベンチに下がることになる。
だが、FC東京U-18との準決勝は横浜での開催ということもあって、ゴール裏にはジュニアとジュニアユースのアカデミー生が大挙して押し寄せ、今大会はメンバー外になったユースの選手やサポーターと一緒に声を張り上げた。とりわけ後半は劣勢の時間が長かったが、福岡とMF大貫琉偉(2年)が組んだドイスボランチの奮闘もあって、試合はPK戦の末に勝利。福岡は声援が自分たちに与えてくれるパワーを再確認していたという。


加えて同級生の鹿島ジュニアユース出身者は、中3時に高円宮杯で優勝を経験しているものの、つくばジュニアユース出身の福岡にとっては、自身初めての日本一を懸けて戦うことになるシチュエーションに、燃えないはずがない。最後の1試合を前に、気合は十分すぎるほどに入っていた。
ベガルタ仙台ユース(東北1)と対峙した決勝。前半18分に千載一遇のチャンスが到来する。鹿島ユースは左サイドでMF平島大悟(2年)が縦に流し、FW吉田湊海(2年)がカットインから放ったシュートはDFに当たったものの、跳ね返った球体は、その行方に福岡の足元を選ぶ。
「ポケットを取りに行った時に、マイナスが空いているというのはミーティングでも言われていましたし、そこにボランチの大貫か自分が入っていこうという話はあった中で、ボールがうまく転がってきて、トラップもうまく行ったので、あとはシュートを打ったら、入りました」。




ゴールネットをボールが揺らしたところを見届けた後のことは、あまりよく覚えていない。「頭が空っぽになって、とりあえず“決めポーズ”をやっておこうかなという気持ちしかなかったです(笑)。そこからみんなが喜びに来たので、『ああ、点を決めたんだな』という実感が湧きました。“決めポーズ”は鈴木優磨選手がやっていたので、『マネしてみようかな』と思って、やってみました」。
貴重なファイナルでの先制弾。さらに実は今季の福岡は、プレミアリーグでも無得点が続き、クラブユース選手権でも関東予選からずっとゴールを奪えていなかったため、このゴラッソが今シーズンの公式戦初ゴール。「今まで打ったシュートの中で、一番いいシュートだったと思います。『持ってるな』って自分でも思いました(笑)」と本人も言い切るように、その1点をこの舞台で叩き出すのだから、やはり『持っている』ということなのだろう。




チームを率いる中野洋司監督も、彼に寄せる信頼を隠さない。「その前のプレミアからそうだったんですけど、今大会のボランチの貢献度は凄く大きいなと感じていて、決勝で福岡がああいう形で点が獲れたのは、本人にとっても凄く報われたでしょうし、チームにとっても凄く嬉しい得点でした」。
さらに前半に1点、後半に1点を追加した鹿島ユースは、結果的に3-0という盤石の戦いぶりを見せて、見事に勝利を引き寄せる。「中野さんも言っていたんですけど、『このチームメイトと一緒であれば、絶対に日本一を獲れる』と思っていましたし、今年獲りたいという想いはずっとあったので、そこで優勝できたのは非常に大きいかなと思います」(福岡)
試合後は各カテゴリー総出で応援に駆け付けたアカデミー生とともに、楽しく、明るく、とにかく、はしゃぐ。悲願のクラブユース選手権初制覇。この真夏の夜の景色は、絶対に忘れたくない。“オブラディ”をみんなで歌い、踊りながら、福岡は歓喜に沸く仲間たちの笑顔を、その目に強く焼き付けていた。


1年生だった昨季から、そのムードメーカーぶりは際立っていた。いつもにぎやかで、笑顔。サポーターの前での挨拶を任されれば、ユーモアあふれる饒舌な語り口と、キレのある動きで爆笑をさらっていく。だが、この人はただのお調子者とは、少し違う。Bチームが戦うプリンスリーグの試合では、特大メガホンで応援の音頭を取り、ピッチの仲間たちを鼓舞していく。その理由を聞くと、返ってきた答えも実に振るっていた。
「僕たちはチームで戦っていますし、応援も自分は得意な方なので、恥ずかしいというような想いもないですね。そういうこともチームが勝つためには大事だと思うので、そこは今年も続けていければなと思います」。
「今日の決勝の応援もそうですけど、みんな勝ちたいという気持ちがあって応援しているわけで、自分もチームとして勝ちたいと思っていますし、そこは自分のキャラがどうとかではなくて、『やらないとな』という気持ちで普段も応援しているので、みんなで声を出せるのもアントラーズの良さかなと思います」。
アントラーズの勝利のために、自分にできることを、ピッチ内でも、ピッチ外でも、120パーセントの力でやり切れる男が、仲間から信頼されないはずがない。改めて自分のゴールで、悲願のタイトルを勝ち獲った感慨を尋ねられた福岡が、間髪をいれずに紡いだ言葉をご紹介しておこう。
「やっぱりお母さんとお父さんが生んでくれたおかげです(笑)」
いつだって、チームのことを、チームメイトのことを思って、太陽にも月にもなれる、鹿島ユースが誇る最強のムードメーカー。サッカーの神様は、誰にスポットライトを当てるべきか、普段からずっと日常を見つめている。福岡勇和が日本一を決める試合で、ゴールという結果を残したのは、きっと、絶対に、偶然じゃない。


(取材・文 土屋雅史)
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[7.31 クラブユース選手権(U-18)決勝 鹿島ユース 3-0 仙台ユース ニッパツ三ツ沢球技場]
無邪気にはしゃぐ。ジュニアやジュニアユースのアカデミー生が勢揃いしたゴール裏の応援席の前で、とにかく、はしゃぐ。でも、今日ばかりはそれでいいだろう。だって、日本で一番強いチームを決める試合で、最高のゴールを決めて、最高のタイトル獲得に、誰よりも貢献してみせたのだから。
「生まれてきて、初めての日本一だったので、非常に嬉しいですね。試合が終わってからも、あまり実感は湧いていなかったんですけど、最後にみんなで“オブラディ”をした時には、『ああ、優勝したんだな』と思いました」。
鹿島アントラーズユース(関東4)を明るく照らす、チームきっての超ムードメーカー。MF福岡勇和(2年=鹿島アントラーズつくばジュニアユース出身)はファイナルで沈めた自身の今シーズン公式戦初ゴールで、日本一の栄冠を鮮やかに手繰り寄せた。
「クラブユースを通して、グループリーグの1試合目は結構自分でも良い感覚を掴めたんですけど、2,3試合目と準々決勝のヴィッセルの試合は納得の行くプレーができていなかったので、関東に戻ってきて、あれだけの応援もある中で、『やってやろう』という気持ちもより強くなりました」。
福岡は今大会の決勝までにたどった道のりを、そう振り返る。全国制覇を巡って争われるクラブユース選手権。大阪会場で戦うことになった鹿島ユースは、グループリーグを3戦全勝で勝ち抜けたものの、福岡は2試合目も3試合目も前半だけで交代を命じられ、準々決勝も思うようなプレーを繰り出せず、後半途中でベンチに下がることになる。
だが、FC東京U-18との準決勝は横浜での開催ということもあって、ゴール裏にはジュニアとジュニアユースのアカデミー生が大挙して押し寄せ、今大会はメンバー外になったユースの選手やサポーターと一緒に声を張り上げた。とりわけ後半は劣勢の時間が長かったが、福岡とMF大貫琉偉(2年)が組んだドイスボランチの奮闘もあって、試合はPK戦の末に勝利。福岡は声援が自分たちに与えてくれるパワーを再確認していたという。


加えて同級生の鹿島ジュニアユース出身者は、中3時に高円宮杯で優勝を経験しているものの、つくばジュニアユース出身の福岡にとっては、自身初めての日本一を懸けて戦うことになるシチュエーションに、燃えないはずがない。最後の1試合を前に、気合は十分すぎるほどに入っていた。
ベガルタ仙台ユース(東北1)と対峙した決勝。前半18分に千載一遇のチャンスが到来する。鹿島ユースは左サイドでMF平島大悟(2年)が縦に流し、FW吉田湊海(2年)がカットインから放ったシュートはDFに当たったものの、跳ね返った球体は、その行方に福岡の足元を選ぶ。
「ポケットを取りに行った時に、マイナスが空いているというのはミーティングでも言われていましたし、そこにボランチの大貫か自分が入っていこうという話はあった中で、ボールがうまく転がってきて、トラップもうまく行ったので、あとはシュートを打ったら、入りました」。




ゴールネットをボールが揺らしたところを見届けた後のことは、あまりよく覚えていない。「頭が空っぽになって、とりあえず“決めポーズ”をやっておこうかなという気持ちしかなかったです(笑)。そこからみんなが喜びに来たので、『ああ、点を決めたんだな』という実感が湧きました。“決めポーズ”は鈴木優磨選手がやっていたので、『マネしてみようかな』と思って、やってみました」。
貴重なファイナルでの先制弾。さらに実は今季の福岡は、プレミアリーグでも無得点が続き、クラブユース選手権でも関東予選からずっとゴールを奪えていなかったため、このゴラッソが今シーズンの公式戦初ゴール。「今まで打ったシュートの中で、一番いいシュートだったと思います。『持ってるな』って自分でも思いました(笑)」と本人も言い切るように、その1点をこの舞台で叩き出すのだから、やはり『持っている』ということなのだろう。




チームを率いる中野洋司監督も、彼に寄せる信頼を隠さない。「その前のプレミアからそうだったんですけど、今大会のボランチの貢献度は凄く大きいなと感じていて、決勝で福岡がああいう形で点が獲れたのは、本人にとっても凄く報われたでしょうし、チームにとっても凄く嬉しい得点でした」。
さらに前半に1点、後半に1点を追加した鹿島ユースは、結果的に3-0という盤石の戦いぶりを見せて、見事に勝利を引き寄せる。「中野さんも言っていたんですけど、『このチームメイトと一緒であれば、絶対に日本一を獲れる』と思っていましたし、今年獲りたいという想いはずっとあったので、そこで優勝できたのは非常に大きいかなと思います」(福岡)
試合後は各カテゴリー総出で応援に駆け付けたアカデミー生とともに、楽しく、明るく、とにかく、はしゃぐ。悲願のクラブユース選手権初制覇。この真夏の夜の景色は、絶対に忘れたくない。“オブラディ”をみんなで歌い、踊りながら、福岡は歓喜に沸く仲間たちの笑顔を、その目に強く焼き付けていた。


1年生だった昨季から、そのムードメーカーぶりは際立っていた。いつもにぎやかで、笑顔。サポーターの前での挨拶を任されれば、ユーモアあふれる饒舌な語り口と、キレのある動きで爆笑をさらっていく。だが、この人はただのお調子者とは、少し違う。Bチームが戦うプリンスリーグの試合では、特大メガホンで応援の音頭を取り、ピッチの仲間たちを鼓舞していく。その理由を聞くと、返ってきた答えも実に振るっていた。
「僕たちはチームで戦っていますし、応援も自分は得意な方なので、恥ずかしいというような想いもないですね。そういうこともチームが勝つためには大事だと思うので、そこは今年も続けていければなと思います」。
「今日の決勝の応援もそうですけど、みんな勝ちたいという気持ちがあって応援しているわけで、自分もチームとして勝ちたいと思っていますし、そこは自分のキャラがどうとかではなくて、『やらないとな』という気持ちで普段も応援しているので、みんなで声を出せるのもアントラーズの良さかなと思います」。
アントラーズの勝利のために、自分にできることを、ピッチ内でも、ピッチ外でも、120パーセントの力でやり切れる男が、仲間から信頼されないはずがない。改めて自分のゴールで、悲願のタイトルを勝ち獲った感慨を尋ねられた福岡が、間髪をいれずに紡いだ言葉をご紹介しておこう。
「やっぱりお母さんとお父さんが生んでくれたおかげです(笑)」
いつだって、チームのことを、チームメイトのことを思って、太陽にも月にもなれる、鹿島ユースが誇る最強のムードメーカー。サッカーの神様は、誰にスポットライトを当てるべきか、普段からずっと日常を見つめている。福岡勇和が日本一を決める試合で、ゴールという結果を残したのは、きっと、絶対に、偶然じゃない。


(取材・文 土屋雅史)
●第49回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集
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