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優勝候補として臨んだ選手権から一年「やっぱり楽しかった、が大きかった」U-21日本代表MF嶋本悠大(清水)が振り返る高校サッカーの真髄

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MF嶋本悠大

 サウジアラビアで、全国高校サッカー選手権の決勝を観ていた。“ロス五輪世代”U-21日本代表のMF嶋本悠大(清水)は現地時間午前8時半からの試合をネット配信で生観戦。「神村が決めるところを決めた。シュートが上手かった」と感想を語った。

 今年度の選手権は、神村学園高(鹿児島)は鹿島学園高(茨城)を3-0で破り、初優勝を飾った。夏のインターハイ王者でもあり、下馬評高い優勝候補。苦しみながらも連戦を勝ち抜き、史上6校目の夏冬連覇を果たした。

 昨年度の優勝候補、大津高出身の嶋本はこの一年間を振り返る。いまは日の丸を背負い、サウジアラビアでAFC U23アジアカップに参加中。「選手権が来る前までは(一年が)長いと思っていた。だけど、選手権が来たらやっぱり短いと感じてしまう」。自身が臨んだ選手権は3回戦で流通経済大柏高に敗戦。「もっとやれたなと思う」と当時の悔しさを思い返した。

 タレント揃いの大津は、昨年度に初めてプレミアリーグWESTを制覇し、ファイナルも制した。インターハイ初戦敗退からの成長を経て、シーズン後半は攻守で隙の無いチームに成長。選手権1回戦・福井商戦(○4-0)、嶋本も1ゴール1アシストを記録した2回戦・札幌大谷戦(○2-1)と勝ち進んだが、3回戦で同じくトップレベルの流経大柏に1-2と接戦で屈した。

2回戦・札幌大谷戦では1ゴール1アシストで大活躍

3回戦・流通経済大柏戦で敗れ、涙した

「本当に流経に勝てばという感じだと自分は思っていた。ここ勝てば本当に優勝が見えるというところだった」。“優勝候補”というプレッシャーもゼロではなかった。「自分もチームメイトのみんなも固くなっていた。少し安パイなプレーが多かった」。高校サッカー最後の戦いを、一年越しに総括した。

 終わった直後は悔しさもあった。だが、改めて高校サッカー3年間を振り返ると「やっぱり楽しかった、が大きかった」という。選手権は、高校サッカーを戦う選手全員のモチベーション。「高校生活の集大成。ここで結果を残せれば、多くの人に観てもらえる。プレーで色んな人に影響を与えられるような選手になれるきっかけの大会」と嶋本も語った。

 思い入れがある試合は、中3のときに観た21年度の第100回大会決勝。翌年自らが入学する大津が初の決勝進出を果たしたなか、青森山田高が4-0で圧倒。インターハイ、プレミアリーグEASTに続く“3冠”の偉業を成し遂げた試合だ。

「本当に山田が強すぎた。決勝でシュート0は本当に恐ろしい。中学のときは3冠ってそんなにすごいのかなと思っていた。だけど、高校に入ってみたら3冠ってとんでもないなと。注目されるほど固くなってしまう。リラックスして楽しんでやれることは一番大事だと思えた」

 プロの舞台に上がると、清水エスパルスや代表活動で多くのことを経験してきた。「選手権で国立には行けなかったけど、デビュー戦で国立でプレーできた」。国立競技場で行われたJ1リーグ開幕節・東京ヴェルディ戦(○1-0)では、後半アディショナルタイムに出場。プロ初年度を駆け抜ける大きな一歩となった。

 26年のスタートは中東で迎えた。U23アジア杯では2試合に途中出場。グループリーグ第2節・UAE戦(○3-0)では2-0で迎えた後半22分から出場。守勢に回った状態から再び攻勢に転じるきっかけにもなり、3点目への勢いを与えた。

 首位通過が決まったなかで臨む第3節だが、嶋本の士気は上がっている。「自分が一番ボールに触って、ゲームの流れを変えられる選手になりたい。数字にこだわっているので、ゴールとアシストという目に見える結果を。その数字で自分を表現したい」。高校サッカーの景色を思い出しながら、この一年の成長を示していく。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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