“飛び級”U-21日本代表入りも…口にした「遅いのかも」、19歳DF佐藤海宏(新潟)が見据える高みへの焦りと向上心
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“飛び級”でU-21日本代表に選出された。DF佐藤海宏(新潟)は自身の代でもあるU-19日本代表ではなく、同時期に韓国遠征に臨む大岩剛監督体制のメンバーに初めて入った。「正直びっくりした気持ちが一番強かった」と振り返りながら、「それと同時に、オリンピックを目指していくなかで、(来年の)U-20ワールドカップだけじゃなくて、その上をより意識するようになった」と思いを語った。
鹿島ユースからトップ昇格を果たした昨シーズンはプロデビューこそ飾ったものの、リーグ戦は途中出場2試合で12分間のプレー。J1制覇を成し遂げたチームのなかで、思うように出場機会を得られなかった。そのなかで選択したアルビレックス新潟での半年間の武者修行。環境を変えた今シーズンは、ここまでリーグ戦7試合中5試合出場(うち4試合フル出場)と成長の手応えを掴みつつある。
「やっぱり試合に出て学ぶことは、練習の中のゲーム形式だったり、練習試合では学べないこともある。そういうのを感じながら試合に出て成長していくのが、上を目指していくなかで一番近道なのかなと思う」
今回の遠征で意識することは、左SBでビルドアップに貢献することや、自身の持ち味でもある攻撃参加だ。新潟でもゴール前でシュートを放つほどの積極性を見せ、果敢な姿勢で得点も狙う。「攻撃参加はどのフォーメーションや戦術のなかでも大事になってくる。そこは関係なく出していければ」と力を込めた。
大岩監督体制の左SBは激戦区。フランクフルトに加入したDF小杉啓太やDF高橋仁胡(アルメレ・シティ/蘭2部)といった海外組を始め、左SBとしてU23アジア杯優勝に貢献したDF梅木怜(今治)や、DF関富貫太(横浜FM)といった成長株もいる。19歳の佐藤は“飛び級”という現状に甘えることなく、自身の立ち位置にさらに発破をかける。
「この先のサッカー人生を考えていくなかで、そういう海外組の選手たちと競争して、そこに勝っていかないといけない。今からじゃ遅いのかもしれないけど、そういうところは少なからずライバル意識は持たないといけないし、その序列をひっくり返すのはピッチの上で証明するしかない。ピッチの上で何ができるかを大事にしていきたい」
19歳が口にした“遅い”という言葉。それは焦りと向上心が混ざった感情だ。
「まだ19歳と周りから若く見られるかもしれないけど、若いなかでもA代表だったり、より高い海外のレベルでやっている選手もいる。そこに基準を合わせていかないと、国内でできていれば満足という気持ちだと、この先どんどん埋もれていくと思う。より上を目指していくというところで、『今からじゃ遅いかもしれないけど』。今できないと、この先苦しむと思うので。そういう感覚です」
鹿島ユースの一学年上の先輩でもあるMF小倉幸成(法政大/岡山内定)とは、25年6月のU-20日本代表以来の共闘になる。小倉も関東大学リーグと代表活動での切磋琢磨を経て、大学2年生にしてJ1クラブであるファジアーノ岡山の内定を獲得。特別指定選手としてJ1の舞台でプレーする先輩の背中に、佐藤は「ユースからすばらしい選手だったけど、ひさびさに見てもより成長している」と印象を語る。
「オグだけじゃなくて、(U-20)W杯やこの前の(U23)アジア杯で成長した選手は、一緒にやってみて強く感じる。そういう意味でも焦りは関係しているのかなと思う」
ひとつの大きな目標、J1王者・鹿島でプレーすることは揺らがない。半年間の契約であるレンタル移籍の、その先を佐藤は見据える。
「いまの鹿島を毎試合見ているけど、いま帰って試合に絡めるかというと、やっぱり厳しいなというのは自分の感覚としてある。帰ってまた出場機会がなくなって……ではこの半年間の期間でレンタルされた意味はない。そういう力を証明する意味でも、リーグ戦やこういう代表のなかで証明するしかないと思う。こういう代表活動を大事にしながら、より成長のスピードを上げていくことで、鹿島に帰って鹿島でスタメンを勝ち取るところにつながる。鹿島に戻ってどうなるかは常に意識しているので。そこはブレずにやっていきたい」
“飛び級”も、新潟の武者修行も、すべては鹿島のピッチに立つための挑戦でもある。焦りを力に変えながら、たしかな現在地を積み上げていく。
(取材・文 石川祐介)
鹿島ユースからトップ昇格を果たした昨シーズンはプロデビューこそ飾ったものの、リーグ戦は途中出場2試合で12分間のプレー。J1制覇を成し遂げたチームのなかで、思うように出場機会を得られなかった。そのなかで選択したアルビレックス新潟での半年間の武者修行。環境を変えた今シーズンは、ここまでリーグ戦7試合中5試合出場(うち4試合フル出場)と成長の手応えを掴みつつある。
「やっぱり試合に出て学ぶことは、練習の中のゲーム形式だったり、練習試合では学べないこともある。そういうのを感じながら試合に出て成長していくのが、上を目指していくなかで一番近道なのかなと思う」
今回の遠征で意識することは、左SBでビルドアップに貢献することや、自身の持ち味でもある攻撃参加だ。新潟でもゴール前でシュートを放つほどの積極性を見せ、果敢な姿勢で得点も狙う。「攻撃参加はどのフォーメーションや戦術のなかでも大事になってくる。そこは関係なく出していければ」と力を込めた。
大岩監督体制の左SBは激戦区。フランクフルトに加入したDF小杉啓太やDF高橋仁胡(アルメレ・シティ/蘭2部)といった海外組を始め、左SBとしてU23アジア杯優勝に貢献したDF梅木怜(今治)や、DF関富貫太(横浜FM)といった成長株もいる。19歳の佐藤は“飛び級”という現状に甘えることなく、自身の立ち位置にさらに発破をかける。
「この先のサッカー人生を考えていくなかで、そういう海外組の選手たちと競争して、そこに勝っていかないといけない。今からじゃ遅いのかもしれないけど、そういうところは少なからずライバル意識は持たないといけないし、その序列をひっくり返すのはピッチの上で証明するしかない。ピッチの上で何ができるかを大事にしていきたい」
19歳が口にした“遅い”という言葉。それは焦りと向上心が混ざった感情だ。
「まだ19歳と周りから若く見られるかもしれないけど、若いなかでもA代表だったり、より高い海外のレベルでやっている選手もいる。そこに基準を合わせていかないと、国内でできていれば満足という気持ちだと、この先どんどん埋もれていくと思う。より上を目指していくというところで、『今からじゃ遅いかもしれないけど』。今できないと、この先苦しむと思うので。そういう感覚です」
鹿島ユースの一学年上の先輩でもあるMF小倉幸成(法政大/岡山内定)とは、25年6月のU-20日本代表以来の共闘になる。小倉も関東大学リーグと代表活動での切磋琢磨を経て、大学2年生にしてJ1クラブであるファジアーノ岡山の内定を獲得。特別指定選手としてJ1の舞台でプレーする先輩の背中に、佐藤は「ユースからすばらしい選手だったけど、ひさびさに見てもより成長している」と印象を語る。
「オグだけじゃなくて、(U-20)W杯やこの前の(U23)アジア杯で成長した選手は、一緒にやってみて強く感じる。そういう意味でも焦りは関係しているのかなと思う」
ひとつの大きな目標、J1王者・鹿島でプレーすることは揺らがない。半年間の契約であるレンタル移籍の、その先を佐藤は見据える。
「いまの鹿島を毎試合見ているけど、いま帰って試合に絡めるかというと、やっぱり厳しいなというのは自分の感覚としてある。帰ってまた出場機会がなくなって……ではこの半年間の期間でレンタルされた意味はない。そういう力を証明する意味でも、リーグ戦やこういう代表のなかで証明するしかないと思う。こういう代表活動を大事にしながら、より成長のスピードを上げていくことで、鹿島に帰って鹿島でスタメンを勝ち取るところにつながる。鹿島に戻ってどうなるかは常に意識しているので。そこはブレずにやっていきたい」
“飛び級”も、新潟の武者修行も、すべては鹿島のピッチに立つための挑戦でもある。焦りを力に変えながら、たしかな現在地を積み上げていく。
(取材・文 石川祐介)


